日本にない価値を見つけ、届ける――ワイズファクトリーが描く輸入販売とグローバル支援の未来

株式会社ワイズファクトリー 代表取締役 吉井 幸秀氏

株式会社ワイズファクトリーは、海外の商品やサービスを日本市場へ導入し、ブランディングから販売まで一貫して手がける企業です。さらに、海外企業の日本進出支援、日本企業の海外進出支援といったコンサルティング事業も展開し、国境を越えたビジネスの橋渡し役となっています。本記事では、会社員時代に培った実務経験と海外でのキャリアを礎に独立し、既存の枠組みにとらわれず、日本市場に新たな価値を届ける挑戦を続けている代表の吉井幸秀氏に、現在の事業内容や強み、今後の展望などについて伺いました。

日本と海外をつなぐ2つの事業を展開

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

当社の事業は、大きく2つあります。

1つは、輸入販売事業です。海外で生まれた商品やサービスのなかから、日本市場に可能性があるものを見極め、導入から販売まで手がけています。単に仕入れて売るのではなく、日本で受け入れられる形に整え、ブランドとして育てていくことまでを担っています。

もう1つは、コンサルティング事業です。海外企業が日本法人を立ち上げる際の支援や、日本進出後に売上が伸び悩んでいる企業への改善支援を行っています。逆に、日本企業が海外進出を目指す際のサポートも行っており、日本と海外の双方をつなぐ役割を果たしています。市場や商習慣の違いを理解したうえで支援できることが特徴です。

――御社ならではの強みはどのような点にありますか。

輸入販売事業では、現在、AI搭載スポーツカメラが主力商材です。他社でも類似商品の取り扱いは見られるものの、輸入だけでなく、商品企画の段階から入り、販売まで一貫して手がけている企業は多くないと考えています。

コンサルティング事業では、中国やアジア圏の案件に強みがあります。私自身、中国に約10年間滞在し、留学や駐在を経験してきました。そのなかで築いたネットワークがあり、現地事情を踏まえた柔軟な対応が可能です。また、メーカー勤務時代に販売チャネルとも関わってきたため、現場感覚を持った実践的な支援ができることもポイントで、中間工程を減らし、スピード感を持って進められる点も評価いただいています。

消費者視点を軸に、必要とされるものだけを届ける

――経営者になられたきっかけを教えてください。

会社員として培った経験を土台にしながら、より自由度高く挑戦できる環境を求めて起業を決断しました。

新卒で入社したのは、食品メーカーです。26歳のとき、初めての転勤先として中国に赴任することになりました。現地ではマネジメント業務も任され、若いうちから経営に近い立場で仕事をする経験ができました。

その後も複数の企業で部長職以上の立場を経験し、事業運営や組織づくり、数字管理など、経営に関わる実務を積み重ねてきましたが、会社員として約15年働くなかで、自分自身で事業を動かしていけるという感触を得られたこと、そしてこれまでの経験を最大限に活かしたいと考えたことが、独立のきっかけとなりました。

――経営判断の軸になっている価値観は何でしょうか。

常に意識しているのは、「消費者がどのように感じるか」という視点です。どれだけ売り手側が魅力的だと思っていても、消費者に求められていなければ意味がありません。

そのため、消費者が必要としていないと思われるものには、手を出さないようにしています。市場を見ること、生活者の感覚を知ること、そして本当に価値あるものだけを届けることが、経営判断の基準です。

輸入販売においても、コンサルティングにおいても、この考え方は共通しています。相手都合ではなく、ユーザー起点で考える姿勢が大切だと思っています。

志を共にするパートナーと歩む

――組織運営についてお聞かせください。

当社では、必要な分野ごとに、専門性を持つ外部パートナーと連携しながら事業を進める体制を取っています。

これは、固定的な組織を大きくするよりも、その時々の課題に応じて最適な人材とチームを組む方が、スピードも成果も高めやすいと考えているためです。信頼できる人からの紹介を中心にネットワークを広げ、継続的な協力関係を築いています。

――どのような人と一緒に働きたいですか。

未来のことを語れる人です。できない理由や言い訳を先に考えるのではなく、「面白そうだからやってみよう」と前向きに話せる人、そして、そこから具体策へ落とし込める人と一緒に働きたいです。

挑戦には、発想力と行動力の両方が必要です。可能性を信じながら現実的に形にしていける人となら、新しい価値を生み出せると思っています。

家族との時間と自然が、次の挑戦への力になる

――休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。

子どもが3人いるため、休日は家族と過ごす時間を大切にしています。家族との何気ない時間が、日々の活力になっています。息子とサッカーをしたり、娘たちと遊ぶことが何よりのリフレッシュになっています。

また、3年前に移住し、現在は自然を身近に感じられる環境で暮らしています。自然のなかで過ごすことで頭が整理され、気持ちも整います。忙しい経営者だからこそ、意識的に仕事から離れる時間が重要だと感じています。

家族との時間、自然との時間――その両方があるからこそ、また新しい挑戦に向かうエネルギーが生まれているのかもしれません。

BtoB展開や10ブランド体制を目指して

――業界の将来性についてはどう見ていますか。

AI搭載スポーツカメラは、さまざまなスポーツに対応できると感じています。現状は個人向けのBtoCが中心ですが、今後は法人向けのBtoB展開にも大きな可能性があります。

例として考えられるのは、スポーツ協会やリーグ、教育機関、クラブチームなどへの導入です。個人利用だけでなく、組織単位での活用が進めば、市場はさらに広がっていくはずです。今後はその仕組みづくりにも力を入れていきたいと考えています。

――今後の展望について教えてください。

輸入販売事業では、現在取り扱う主力ブランドを起点に、将来的には複数ブランド展開を進め、10ブランド規模まで広げていきたいと考えています。ただ数を増やすだけではなく、総代理店として、責任を持って価値提供できる体制づくりにはこだわっていきたいです。

コンサルティング事業では、現在はマーケティング寄りの案件が中心ですが、今後は商品企画から消費者接点まで、より深い領域まで入り込んだ支援を目指したいです。案件数だけでなく、支援の質も高めていきたいと考えています。

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