地域資源を未来へつなぐ――別荘地から始まる新たな価値創造

株式会社Blue First 代表取締役 奥山一成氏

宮城県川崎町を拠点に、別荘管理や空き家活用事業を展開する株式会社Blue First。地域に点在する空き家や別荘を「放置資産」ではなく「地域資源」として再生し、新たな価値を創出する取り組みを進めています。医療職から転身し、地域課題の解決に挑む奥山一成氏に、事業の背景や強み、今後の展望について伺いました。

空き家を「資源」に変える地域密着型の事業

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

宮城県川崎町を拠点に、別荘の管理および別荘地全体のインフラ維持を含めた事業を展開しています。使われていない空き家や別荘を単なる放置資産としてではなく、地域資源として再生活用することを目的としています。

もともと理学療法士として約20年間、医療・介護の現場に従事してきましたが、川崎町への移住をきっかけに地域おこし協力隊として活動するようになりました。その中で空き家問題に直面し、調査や所有者へのヒアリングを重ねるうちに、課題解決に向けた事業として現在の形に至りました。

――どのような課題を解決する事業なのでしょうか。

全国的に空き家が増加している中で、川崎町も例外ではありません。特に別荘地では、所有者が遠方に住んでいるケースが多く、管理が行き届かないという課題があります。そうしたニーズに応える形で、別荘管理や日常点検、水回りの維持など、インフラ管理も含めたサービスを提供しています。

現地に根差すからこそ実現できる強み

――他社にはない強みはどのような点にありますか。

最大の強みは、会社自体が別荘地の中にあり、私自身もそこに居住している点です。現地でリアルタイムに状況を把握し、何かあればすぐに対応できる体制があります。

また、地域おこし協力隊としての経験から行政とのつながりもあり、地域課題に対して迅速に連携できる点も特徴です。さらに、消防団への参加など地域に深く関わることで、住民の声を直接聞きながら信頼関係を築いています。

――地域との関わりも重要なのですね。

はい。移住者であっても地域に溶け込み、信頼を積み重ねていくことが重要だと考えています。別荘所有者や地域住民との関係性が、この事業の基盤になっています。

医療職からの転身と地域への想い

――この事業を始めたきっかけを教えてください。

もともとは医療・介護の分野にいましたが、子どもが生まれたことをきっかけに、より自然豊かな環境で子育てをしたいと考え、移住を決断しました。

実際に別荘地で暮らしてみると、素晴らしい環境でありながら空き家が増え続けている現状を目の当たりにしました。この資源を活かし、多くの人に知ってもらいたいという思いから、空き家や別荘の活用事業に取り組むようになりました。

――会社名の由来についても教えてください。

「ブルー」は川崎町の青根エリアに由来し、自然や空のイメージを重ねています。「ファースト」はこの地を第一の拠点としてスタートする意味を込めています。

想いをつなぐ――理念とビジョン

――理念やビジョンについて教えてください。

家にはそれぞれの想いがあります。世代交代や時代の変化の中で使われなくなった住宅や別荘も、その想いを次の人へつないでいくことが大切だと考えています。

単に物件を再活用するだけでなく、オーナーの気持ちも含めて新しい価値へとつなぎ、地域の活性化につなげていきたい。さらに、働き方や住む場所がより自由になる時代の中で、新しいライフスタイルを提案していきたいと考えています。

人と向き合う組織づくり

――社員や関係者とのコミュニケーションで大切にしていることは何ですか。

単なる作業として仕事をお願いするのではなく、その人が将来どうなりたいのかという視点を大切にしています。本人の希望や可能性を引き出しながら、一緒に成長していける関係を築くことを意識しています。

実際に、空き別荘を活用しながら働いてもらうなど、それぞれのライフスタイルや目標に合わせた関わり方をしています。

全国展開を見据えた今後の挑戦

――今後の展望について教えてください。

現在は空き別荘を貸別荘として活用するフェーズにありますが、今後は管理件数を増やしながら、川崎町だけでなく他エリアへの展開も考えています。

山間部だけでなく沿岸部など、さまざまな地域でこのモデルを広げていきたいと考えています。今年度の目標としては空き家管理50件を掲げていますが、簡単ではないため、行政との連携や認知拡大が重要になります。

――現在感じている課題は何でしょうか。

空き家問題はすぐに解決できるものではなく、所有者の事情や制度面など複雑な要因が絡んでいます。そのため、まずは空き家に対する理解を深めてもらうための発信や啓蒙活動が課題です。

また、自社の取り組みや支援内容を分かりやすく伝えていくことも重要だと感じています。今後はPRや情報発信にも力を入れていきたいと考えています。

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