現場に寄り添い、“明日から動ける支援“を――アイオーワークデザインが目指す製造業支援のかたち

アイオーワークデザイン株式会社 代表取締役 磯部 雄士氏

アイオーワークデザイン株式会社は、製造業、とりわけ金属加工の分野を中心に、加工アドバイスや中小企業向けの営業支援を行う企業です。ISO認証に関するアドバイスや運用支援、アンガーマネジメントの普及にも取り組み、複数の領域から現場に寄り添う支援を展開しています。実務経験に裏打ちされた伴走型の支援を強みとし、「明日から実行できること」を重視しながら事業を進めている点も特徴です。本記事では、代表の磯部雄士氏に、現在の取り組みや経営の考え方、今後の展望などについて伺いました。

製造業の現場に根ざした3つの事業を展開

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、大きく3つの領域を軸に事業を展開しています。

1つ目は、製造業、特に金属加工に関する加工アドバイスです。現場で培われてきた技術やノウハウをもとに、製造工程や加工に関する相談・改善支援を行っています。

2つ目は、中小企業に対する営業支援です。単なる営業手法の提案にとどまらず、営業活動全般を広い意味でサポートしており、認証取得後の運用面についても支援しています。

3つ目は、ISO認証に関するアドバイスや、取得後の運営・運用支援です。認証取得に向けたサポートだけでなく、継続的に制度を活用していくための実務面まで対応しています。

これらに加えて、アンガーマネジメントの普及にも取り組んでおり、組織づくりや人材育成にもつながるテーマとして、企業活動のさまざまな場面で役立てていただけるよう発信しています。

現在は、こうした複数の領域を活かしながら、現場に寄り添う支援を進めています。

――御社の強みはどのような点にありますか。 

現場目線で伴走できる点だと思っています。

私は長年営業経験を積んできましたので、営業支援に関しては、単にPDCAを回すという話ではなく、実際に一緒に動くところまで踏み込むのが特徴です。たとえば展示会に同行し、お客様との接点づくりを一緒に進めるようなこともあります。

また、ISOについても私自身が実務に関わってきたため、机上の理論ではなく、実際の経験をもとに同じ目線で話ができるのは大きなポイントでしょう。

さらに私は、これまで営業所長や営業支店長、新商品開発に関わる立場、物流部長など、営業以外も含めてさまざまな役割を経験してきました。そうした経験があるからこそ、営業だけにとどまらず、事業計画の立案や実行、目標達成に向けた動き方まで含めて幅広く相談に乗れることも、当社の特徴の一つです。

会社設立の原点となったのは、ものづくりへの熱い想い

――会社の理念やビジョンには、どのような想いが込められているのでしょうか。

会社を設立したときに強くあったのは、「ものづくりに貢献していきたい」という想いです。日本はものづくりの国として知られていますが、長く製造業に携わってきた方のなかには、定年などで現場を離れる方も多くいます。

私は、そのような状況をとてももったいないと感じたんです。長年培ってきた経験や知識を持つ方たちが、年齢を理由に活躍の場を失ってしまうのは、非常に惜しいことです。

そこから、そうした方々が知識や経験を活かしながら活躍できる「箱」をつくれたらと、考えるようになりました。ものづくりに関わってきた方は、工具や機械、加工のプロセスそのものが好きな方も多くおられます。年齢を重ねても、そうした方々が力を発揮できる場があり、なおかつ経験を循環させていけるような形をつくれればと思っています。

――製造業にこだわる背景についても教えてください。

日本は、完成形の製品の製造分野では以前より勢いがなくなっている面もあると思いますが、重要な部品や、その製造に欠かせない技術においては依然強みを持っていると感じています。そうした領域を支えているのが日本のものづくりであり、世界のなかでもまだ存在感を発揮できる分野です。だからこそ、その現場に貢献する仕事をしていきたいという想いがあります。 

ある技術者との出会いが導いた、経営への第一歩 

――経営の道に進まれることになったきっかけは何でしたか。

エンジニアとして非常に技術力や発想力がある方から、「一緒にやろう」と声をかけていただいたことです。その方からさまざまなことを教わるうちに、「その考え方やものの見方を引き継いでいきたい」と思うようになりました。そしてそのためには、自分で会社を作り、自らの手で形にしていく必要があると感じました。

ですのでこの会社は、実質的にはその方と私の2人で始めたようなものです。その方は役員という立場ではありませんでしたが、ホームページ制作なども含めて多くのことを手伝ってくださり、立ち上げ期を支えていただきました。

自分で経験しないと、人には伝えられない

――経営判断の軸になっている価値観は何でしょうか。

常に意識しているのは、「明日から実行できるものを示したい」ということです。

世の中には、理屈として優れた話や、聞いていて納得できる理論は数多くあります。ただ、それがそのまま現場で動かせる形になるかというと、そうではないケースも少なくありません。特に中小企業の現場は泥臭い仕事の連続ですので、きれいな理屈だけでは収まらないことがたくさんあります。だからこそ当社では、“実際に行動に移せる提案”を大切にしています。

――仕事をするうえで大事にしている姿勢を教えてください。

これだけは絶対に譲れない、といった強い固定的な考えは、あえて持ちすぎないようにしています。今はまだ会社として土台を築いているフェーズでもありますし、お客様ごとに考え方も異なるため、ある程度は相手に合わせていく柔軟さも必要だと思っています。

その一方で、自分のなかで大事にしているのは、「まず自分で一回やってみる」ことです。なぜなら、自分で経験してみないと、人には伝えられないからです。そのため、「何でも最初は自分でやる」という意識を常に持っています。

自分が体験したうえで話すからこそ、相手とも同じ目線で向き合えるのだと思います。

誠実さを大切にしながら、土台を固めていく

――現在向き合っている課題はありますか。

「どうやって当社を知っていただくか」という点です。やはり認知度はまだ高くないため、まずは存在を知っていただく必要があります。

――最後に、今後の展望をお聞かせください。

まずは、今ある3つの事業を、もう少ししっかり固めていきたいと考えています。今はまだ土台づくりの段階であるため、しっかり基盤をつくることが先決です。

そのうえで、今後はより製造業に特化していきたいとも考えています。世の中には人事コンサルタントやHRコンサルタント、経営コンサルタントなど、さまざまな専門家がいます。そのなかで広く戦うよりも、製造業という分野に軸足を置き、自分の経験を生かせる領域で勝負していきたいです。

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