「結婚式をもっと自由に、もっと身近に」――社会貢献から生まれた新しいウェディングのかたち
D&W合同会社 代表 川田 昌亨氏
結婚式は、人生のライフイベントでありながら、その費用の高さから実施を諦める人も少なくありません。D&W合同会社は、そうした現状に疑問を持ち、「本当に結婚式を望む人のためのサービス」を提供しています。固定費を抑えた独自のビジネスモデルと、個々の希望に寄り添うプロデュースにより、これまで約300組のカップルを支援してきました。本記事では、代表の川田昌亨氏に、事業の背景や特徴、今後の展望について伺いました。
社会課題から生まれたウェディング事業
――御社の事業内容について教えてください。
もともとは結婚式場の立ち上げを手掛けており、経営企画・広告・スタッフ教育・経理まで一貫して対応していました。しかし、結婚式の高額化により「式を挙げたくてもできない」という声を多く受けるようになりました。背景には、日本の政治・経済の状況による、可処分所得の減少があります。
そこで、企業のための事業から、結婚式を望むカップルのための事業へと方向転換しました。現在は式場を持たず、衣装とヘアメイク程度の費用で実施できる仕組みを構築しています。固定費をかけないことで、従来の半額程度での提供が可能になりました。
――どのような仕組みで低価格を実現しているのでしょうか。
結婚式場のように建物や人件費を抱えない点が大きいです。その分、利益を大きく取る必要がなく、お客様に還元できます。さらに、多くのレストラン事業社をはじめ、フリーのフォトグラファーやヘアメイクアーティスト、フローリストなど約30社と連携し、結婚式を通じて多くの人に収益が分配される仕組みを採用しています。
一組ごとにゼロからつくる結婚式
――具体的なサービスの特徴を教えてください。
一組一組の希望に応じて、ゼロから結婚式をつくり上げる点です。人数や形式も自由で、2名から120名規模まで対応してきました。それぞれの価値観に合わせた内容を全て形にしていきます。
また、フォトウェディングなど多様なニーズにも対応しています。式を行わず写真のみを残したい方も多く、そうした選択肢も尊重しています。
――企業コンサルティングも行っているのでしょうか。
はい。ホテルでの全セクションの実務経験があり、ホテル・レストラン・ブライダル事業のビジネスをサポートします。ウェディングの新規立上げは6件の実績があり、企画立案・売上先行管理・販売管理・広告宣伝・集客・プランニングのシステムを構築します。
セルフウェディングという新しい選択肢
――今後の展望について教えてください。
これからは「セルフウェディング」の仕組みを広げていきたいと考えています。これは、カップル自身が主体となって結婚式をつくるスタイルです。私たちはそのためのノウハウやシステムを提供し、必要な部分だけサポートします。
すでに、遠方でのフォトウェディングを実現する仕組みも構築しています。例えば沖縄で撮影したい場合でも、地元で衣装選びや、リモートでブーケ等の打ち合わせを行い、現地ではスケジュールに沿って進めるだけで実施できます。
――課題はどのような点にありますか。
大きな課題は認知です。この仕組み自体がまだ広く知られていないため、ホームページやSNS、リスティング広告を中心に情報発信を行っています。サービスの価値をどう伝えていくかが重要だと考えています。
小規模でも持続可能な経営スタイル
――組織運営について教えてください。
現在は2名体制で運営しており、需要に応じて外部の各専門分野と連携する形です。今後も大規模な組織にするのではなく、小規模でスピーディ且つ柔軟に事業を展開していきたいと考えています。
個人のスキルやノウハウで収益を生み出せる時代になっているため、無理に雇用を増やす必要はないと感じています。実際に、個人で活動する方々の働き方から学ぶことも多いです。
――事業を通じて実現したい社会像を教えてください。
結婚式はやらないより、やった方がいいと考えています。入籍だけで終わると、親戚関係が希薄になるケースもあります。家族婚や小規模な式でも実施することで、人と人とのつながりが広がります。
そのためにも、費用を抑えながら実現できる結婚式を提供し、多くの人にその機会を届けたいと考えています。社会への還元と貢献の側面が、この事業の大きな軸です。
原点を見失わないことの大切さ
――最後に、経営者やこれから起業する方へのメッセージをお願いします。
事業には良い時もあれば悪い時もありますが、最も大切なのは「なぜ始めたのか」という原点です。情報があふれる時代だからこそ、外部に振り回されず、自分の目的を見失わないことが重要です。
自分が信じて始めたことを、ぶれずに続けていく。その積み重ねが結果につながるのではないかと考えています。
これから企業を考える方には、夢には賞味期限があると思います。物事を難しく考えると難しくなるため、先ずはやってみる! 問題があればすぐ調整で大丈夫です。怖がらなくても良いでしょう。今ではもっと早くやれば良かったと後悔しているぐらいです。