眠れる価値に光を当てる──DaiLY UPが挑む“埋もれない社会”の実現
株式会社DaiLY UP 代表取締役 宮堀 隼氏
埋もれてしまっている価値に光を当て、可能性を最大化する──そんな想いを軸に事業を展開する株式会社DaiLY UP。マーケティング支援を基盤としながら、日本の伝統工芸品を世界へ届けるブランドも手がけています。本記事では、創業の背景から事業の特徴、組織運営、今後の展望、そして宮堀隼氏自身の価値観について伺いました。
目次
眠っている価値を引き出す──DaiLY UPの現在地
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
当社は2025年8月に立ち上げた、まだ1期目の若い会社です。もともとは広告代理店やマーケティング支援に携わっていたメンバー2名で創業しました。僕はデジタル広告や営業の領域を担当していて、もう一人はECサイトのディレクションやプロジェクトマネジメントを行っていた人間です。
事業としては、中小・中堅企業向けのマーケティング支援を軸にしています。大手企業中心になりがちな業界の中で、もっと埋もれている価値に向き合いたいという想いがありました。地方に足を運ぶ中で、伝統工芸や職人の方々と出会う機会も増え、そこから新たな展開につながっています。
現在は「Zen Craftworks 」という形で、日本の工芸品を海外に販売するECサイトも運営しています。単なる支援にとどまらず、自分たちでブランドを持ち、価値を届けるところまで関わっている点が特徴です。
――理念やビジョンについて教えてください。
ミッションは「眠っている価値に光を当て、可能性を最大化すること」です。ビジョンとしては、価値あるものが埋もれない社会をつくることを掲げています。
魅力があるのに伝わっていないものは世の中に多くあります。そういった存在をすくい上げ、しっかりと価値として届けていくことに取り組んでいます。その過程で、新たな価値の循環を生み出していきたいと考えています。
「やりたいこと」から始まった起業
――起業のきっかけについて教えてください。
いくつかあるのですが、一番大きかったのは、AIの進化によって事業運営の前提が大きく変わっていくと感じたことです。
これまでは、企画、制作、分析、顧客対応、オペレーションの整備などを一定の品質で回していくには、多くの人員や外部パートナー、予算が必要でした。しかし今は、AIを活用することで、小規模な組織であっても、スピード感を持って仮説検証を進め、事業を大きく動かせる環境が整ってきています。
広告代理店にいると、どうしても大手企業が中心になります。コストの構造上、それは避けられない部分でもあります。ただ、創業者がともに地方出身であり、周囲に中小企業が多い環境で育ってきたこともあり、そうした企業の価値にもっと関わりたいという想いがありました。
そこにAIの進化が重なったことで、自分たちでも実現できることが大きく広がったと感じました。コストを抑えながらマーケティング支援ができるのであれば、より多くの企業に価値を届けられるのではないかと考えたのがきっかけです。
――経営判断の軸についても教えてください。
判断の基準として一番大きいのは、ミッションやビジョンに沿っているかどうかです。その上で、関わる人にしっかりと利益が残る構造になっているかを重視しています。
例えば工芸品の事業では、職人の方に利益が残る形を前提にしています。そのうえで、自分たちが持続可能なモデルにするためにどうすべきかを徹底的に考えています。
自社だけの成長ではなく、一緒に関わる人たちとどう価値を分け合えるか。その視点は常に大切にしています。
正直に向き合う関係性──組織運営のあり方
――組織運営やコミュニケーションについて教えてください。
現在は役員2名で運営しているため、大きな組織的なコミュニケーションはまだありません。ただ、人数が少ないからこそ、お互いに正直に話すことは意識しています。
2人しかいない状態で関係性が崩れると、会社として成り立たなくなってしまいます。だからこそ、思ったことをそのまま伝え合える関係性を大切にしています。加えて、日々の意思決定についてもスピード感を持ちながら、互いの考えをすり合わせる時間を欠かさないようにしています。小さな違和感を放置しないことが、結果として組織の安定につながると考えています。
――今後、一緒に働きたい人物像はありますか。
まだ採用について具体的には考えきれていない部分もありますが、環境の変化を楽しめる人は合うと思います。
AIの進化などをきっかけに、自分たちも新しい領域に挑戦してきました。そうした変化に対して臆せず、柔軟に取り組める人と一緒に働きたいと感じています。
モノやストーリーに価値を見出せる人も大切です。歴史や背景を含めて魅力を感じられる人は、この事業との相性が良いと考えています。さらに、自ら問いを持ち続けながら行動できる人であれば、変化の中でも主体的に価値を発揮できると感じています。
ブランドを軸にした挑戦──未来への展望
――今後の展望について教えてください。
現在の収益の軸はマーケティング支援ですが、今後は工芸品ブランドを主軸にしていきたいと考えています。数年のうちに、そちらがメイン事業と言える状態に持っていくのが目標です。
工芸品の販売では、職人の方に利益が残る構造を意識しています。そのため、自分たちの収益は別の形で確保する必要があります。具体的には、技術を活かしたアート体験キットのようなオリジナル商品を展開し、そこで持続可能なモデルを作っています。加えて、ブランドとしての世界観づくりや発信にも力を入れながら、単なる物販にとどまらない価値提供を実現していきたいと考えています。
――課題への向き合い方についても教えてください。
現状は認知がほとんどないことが一番の課題です。今後はより多くの人に知ってもらい、協力者を増やしていく必要があります。
海外展開においては、制度や流通など分からない部分も多いので、専門家の力を借りながら進めていくつもりです。自分たちだけで抱え込まず、AI を活用することで出来ることは増えつつも、大きな責任が伴う部分はしっかりと外部と連携しながら広げていくことが重要だと考えています。また、認知拡大の過程そのものを事業の成長機会と捉え、試行錯誤を積み重ねていく姿勢も大切にしています。
人に影響を与える存在でありたい──個人としての価値観
――影響を受けた人物について教えてください。
一番身近な存在は、両親です。2人とも教員で、教え子からの年賀状や連絡を見る機会が多くありました。その様子から、多くの人に影響を与えている存在だと感じています。
教師は毎年多くの生徒に関わる仕事です。自分もビジネスを通じて、少しでも多くの人に影響を与えられる存在になりたいと考えています。
また、影響を受けたものとしては、孫正義さんの『志高く』という本があります。行動の原動力として、今でも大きな存在です。
――リフレッシュ方法について教えてください。
好奇心が強いので、いろいろなことに挑戦するタイプです。釣りやキャンプ、ゴルフなどアウトドアが多いですね。
会社を始めてからはなかなか時間が取れていませんが、もともとは幅広く楽しむのが好きです。その中でも、釣りは長く続けている趣味の一つです。
これからも、目の前の価値と真摯に向き合いながら、より多くの人やモノに光を当てられる存在であり続けたいと考えています。