想いを継ぎ、寄り添い続ける──リップルネットが描く“伴走型Web支援”のかたち
リップルネット株式会社 代表取締役 丸山敏昭 氏
ホームページ制作を軸に、企業の成長に寄り添う支援を続けているリップルネット株式会社。単なる制作にとどまらず、経営視点から課題を掘り下げ、企業の可能性を引き出す姿勢が特徴です。本記事では、創業の背景から現在の事業、組織づくり、今後の展望、そして丸山敏昭氏の価値観について伺いました。
目次
想いを引き継ぎ、企業の成長に伴走する──現在の事業と理念
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
当社はホームページ制作を中心に事業を展開していますが、単に作ることを目的にはしていません。集客なのか採用なのか、お客様ごとに異なる目的に応じて設計を行う点が大きな特徴です。
制作に入る前のヒアリングには特に時間をかけています。ランチェスター経営の視点を取り入れながら、ターゲットや商品、どの層に届けたいのかといった部分を一つひとつ明確にしていきます。その上で、目的達成につながる構成やデザインを組み立てていきます。
制作の過程では、お客様自身が自社の強みや課題に気づかれることも少なくありません。経営の無駄や新たな可能性が見えてくる場面も多く、単なる制作にとどまらず、会社の方向性を見直すきっかけになることもあります。そうした変化を生み出せる点に、この仕事の価値を感じています。
私たちが大切にしているのは、「その行動がお客様のためになるかどうか」という基準です。結果として喜んでいただけるか、会社の発展に貢献できるか。その軸を常に意識しながら取り組んでいます。
ホームページは企業の“顔”となる存在です。その部分をしっかり整えることで、信頼につながる土台をつくる。そうした役割を担いながら、お客様の成長に寄り添い続けていきたいと考えています。
“社長になりたい”という原点──経営の軸と起業のきっかけ
――経営者を志したきっかけや、これまでの歩みについて教えてください。
中学生や高校生の頃から、なんとなく将来は社長になりたいという気持ちを持っていました。ただ、具体的にやりたい業種があったわけではなく、アルバイトをしながら機会を探していたような状態です。どうすれば起業できるのか分からず、悶々とした時間を過ごしていた時期も長くありました。
そんな中で出会ったのが、一緒に会社を立ち上げようとしていた友人です。勉強会で知り合い、「これからはホームページの時代になる」という話で意気投合しました。単なる制作ではなく、経営者に寄り添いながら支援できる会社をつくろうと準備を進めていたんです。
しかし、会社の登記を控えた時期に、その友人が事故で亡くなってしまいました。突然の出来事ではありましたが、彼の想いを形にしたいという気持ちが強く、その後を引き継ぐ形で起業する決断をしました。
最初は右も左も分からない状態でしたが、制作途中の案件が1件あり、お客様に事情を説明して最後までやらせていただきました。そこから信頼をいただき、紹介が広がっていったことで、少しずつ形になっていきました。
この仕事を選んだ背景には、パソコン1台で始められることや、ホームページの需要が伸びていた時代の流れもありますが、それ以上に「誰かの役に立てる形で仕事をしたい」という思いが大きかったと感じています。
経営判断の軸は今も変わらず、「お客様のためになるかどうか」です。売上や効率よりも、その行動が本当に価値につながるのかを重視しています。その積み重ねが信頼を生み、長くお付き合いできる関係につながっていると考えています。
変化する時代に適応する──AI時代の挑戦と展望
――今後の展望や取り組みについて教えてください。
ホームページ制作の業界は、すでに飽和状態に近いと感じています。以前のように制作だけで伸びる時代ではなく、役割そのものも変わってきました。現在はSNSや動画が集客の主流となり、ホームページは最終的な信頼確認の場としての位置づけが強くなっています。
さらにAIの影響も大きく、検索結果から直接情報が得られるようになったことで、サイトへの訪問数は減少傾向にあります。一方で、継続的に更新されているサイトはAIに評価され、アクセスや成果が伸びているケースも見られます。
こうした変化を踏まえ、今後は「更新が止まらないホームページづくり」に力を入れていきます。AIツールを活用し、業界に応じたコラムを自動生成・投稿することで、常に情報が更新され続ける状態をつくっていきます。放置されるサイトではなく、育ち続けるサイトを支えることに価値があると考えています。
また、AIの導入支援にも取り組み始めています。業務効率化の観点から、中小企業でも活用しやすい形で提供し、新たな事業の柱として育てていきたいと思っています。
――現在向き合っている課題と、その対応について教えてください。
大きな課題として感じているのは、ホームページ制作案件の減少です。市場全体の成熟に伴い、これまでのやり方だけでは成長が難しくなってきています。
そのため、新しいサービスへの転換を進めています。具体的には、AIの導入支援や更新支援といった分野に力を入れ、事業の軸を広げているところです。従来の制作に加えて、継続的な価値提供ができる形へとシフトしていく必要があると捉えています。
変化のスピードが速い時代だからこそ、その流れを正しく捉え、柔軟に対応していくことが重要だと考えています。
デジタルと自然のあいだで──人生観とリフレッシュ
――経営において大切にしている価値観について教えてください。
企業は人と違って長く存続できる存在です。だからこそ、自分の代だけで終わらせるのではなく、100年続く企業を目指したいと考えています。そのためにも、一度関わったお客様とは一生お付き合いしていきたい。その想いが経営の根底にあります。
時代の流れに適応しながらも、関係性を大切にし続けること。その積み重ねが、長く続く企業につながっていくと感じています。
――日々のリフレッシュ方法について教えてください。
生活面では、岐阜県中津川市で子育てをしながら暮らしています。実家の田んぼで米づくりを行い、田植えや稲刈り、草刈りといった作業にも取り組んでいます。山間部という環境もあり、イノシシやシカを捕獲するために狩猟免許も取得しました。捕った獣をさばいて食べることもあり、自然と向き合う時間が日常の一部になっています。
仕事はデジタル中心ですが、日常は対照的にアナログな生活です。このバランスが精神的な安定につながり、自然の中で体を動かすことで気持ちが整っていく感覚があります。
こうした時間があるからこそ、改めて仕事に向き合う力が湧いてくる。人とのつながりを大切にしながら、時代の変化にも柔軟に対応し、これからも長く続く企業を目指して歩み続けていきたいと考えています。