誠実さを軸に、土地の安心をつくり、まちの未来を支える
株式会社リーフ測量設計 代表取締役 長谷川 椋雅 氏
測量を軸に事業を展開し、現在は土地開発にも領域を広げる長谷川氏。建物やマンション、ビルなど、あらゆる建築物の基盤となる土地を正確に測る仕事だからこそ、何よりも「誠実さ」を大切にされています。業界全体の高齢化が進む中で、若い人材を積極的に採用し、スピード感と丁寧な価値提供を強みに事業を展開。仕事の価値を理解してもらえる関係性を築きながら、会社として成長を続ける長谷川氏に、事業における強みや測量の道に進んだきっかけ、社員とのコミュニケーションの在り方について伺いました。
目次
建築の土台を支える仕事だからこそ、誠実であり続ける
——現在の事業内容について教えてください。
現在は、測量と開発に取り組んでいます。測量は、建物やビル、マンションなどの建築物を建てる前に、そもそもの土地を測る仕事です。そこが少しでも崩れてしまうと、建物自体が成り立たなかったり、建築物が建てられなかったりすることにつながります。
そのため、正確であることは当然必要です。ただ、正確さだけではなく、私たちは「誠実さ」を一番の理念として掲げています。何かを判断するときにも、誠実であるかどうかを軸にして、すべてを判断していく組織にしたいと考えています。
——会社としての強みや、こだわっていることはありますか。
私たちが大切にしているのは、単に測量を行うことではなく、お客様が安心して次の工程へ進める状態をつくることです。
そのため、スピード感はもちろんですが、お客様とのコミュニケーションや説明の分かりやすさを特に重視しています。専門的な内容だからこそ、できるだけ分かりやすくお伝えし、不安や疑問を残さないことを心掛けています。
また、レスポンスの速さや納期の遵守にも強いこだわりがあります。測量は建築や不動産取引のスタート地点になることが多く、私たちの対応が遅れることで、その後の工程全体に影響が出てしまうことがあります。だからこそ、お客様の仕事を止めないことを意識しながら業務に取り組んでいます。
さらに、依頼された内容だけを見るのではなく、「なぜその測量が必要なのか」「その先で何を実現したいのか」といった背景まで理解することを大切にしています。目的を理解することで、より良い提案や段取りにつながると考えているからです。
測量業界全体では高齢化が進み、平均年齢も高いと言われています。その中で当社は、40歳未満の採用を積極的に行い、若い組織ならではの行動力や柔軟性を強みにしています。
誠実な対応を土台に、スピード、正確性、コミュニケーションを磨き続けること。それが当社のこだわりであり、強みだと考えています。
独立を見据え、大学時代の経験から測量の道へ
——測量の仕事に進まれたきっかけを教えてください。
大きな転機やきっかけがあったわけではありません。大学の出身が土木系だったので、測量にはもともと触れていました。大学在学中にアルバイトをさせてもらう機会があり、それがきっかけで「測量という分野で挑戦したい」と思ったことが、この道に進んだ経緯です。
もともと家系としても、会社を経営していたり、店舗経営をしたりする人が多く、いずれ自分でも挑戦するということは考えていました。そのときに、自分の知識や大学で学んでいたことも含めて総合的に判断した結果、測量の道を選びました。
——経営の中で大切にしている考えはありますか。
会社として絶対にぶれないようにしているのは、安受け合いをしないことです。現在は3期目が終わり、4期目に入ったところですが、1期目から順風満帆だったわけではありません。
もともと個人でやっていたので取引先がないわけではありませんでしたが、世の中ではいろいろな値上げがあり、ガソリン代などの必要経費も上がっていきました。一方で、測量の単価が上がることはありませんでした。
単価が上がらないまま物価だけが上がると、利益も上がりません。利益が上がらないということは、従業員の給与を上げることもできないということに直結します。それは実質的に賃金を下げているのと同じだと考えました。
そこで、2期目から3期目になるタイミングで、新規取引先の営業に専念しました。必要な仕事なのに値段が上がらないということは、価値を感じてもらえていないのだと思ったからです。
価値提供をしっかりつくり、その価値に賛同していただける方からお仕事をいただく。そういう考えに切り替えました。結果として、売上は1.5倍から2倍ほどの成長を続けることができています。そこが一つのターニングポイントだったと思います。
評価を見える形にし、納得感のある組織をつくる
——社員とのコミュニケーションで大切にしていることはありますか。
メリハリを持つことを大切にしています。業務に関する話と雑談は、意識的に切り分けています。
また、育成という観点で特に重視しているのが「評価の見える化」です。仕事をしていただき、その対価として給与があると考えています。
だからこそ、「なぜこの評価なのか」「なぜこの給与なのか」を社員自身が理解できる状態にしたいと思っています。そのため、評価基準や成長の指標をできるだけ見える形にしています。
評価が曖昧だと、不安や不満が生まれやすくなります。一方で、何を頑張れば評価されるのかが明確であれば、社員も安心して成長に向き合うことができます。
そうした納得感のある環境をつくることが、社内コミュニケーションにおいても重要だと考えています。
——採用で重視していることを教えてください。
面接をしていると、会話の中で分かることがあります。コミュニケーションは会話によって成り立つものですが、相手の言いたいことや言っていることを理解しようとする人と、表面上の言葉だけに答える人がいます。
当社では、その中身をきちんと考えられる人かどうかを採用の判断軸に置いています。測量に限らず、コミュニケーションをしっかり取らなければ、関係性はつくれません。それは社内でも同じです。
相手が言っていることを、ただ言葉通りに受け取るのではなく、その背景や意図まで考えられる人を大事にしています。相手が思っている通りに必ず理解するということではなく、そこに対して考える姿勢があるかどうかを重視しています。
大きな課題を細分化し、一つずつ解決していく
——仕事を通じて見えている課題には、どのように向き合っていますか。
大きな課題があるときには、まずそれをしっかり噛み砕いて、小さな課題に落とし込むことを意識しています。そして、その小さな課題を一つずつ改善し、解決していくためのプロセスを立てます。
最終的に、大きな課題の解決につなげていくという考え方です。抽象的なものを、具体的なものに変えていくことを大事にしています。
——今後、挑戦していきたいことを教えてください。
測量は、土地に関わるあらゆる仕事の入り口だと考えています。だからこそ、今後も土地に関する分野には積極的に挑戦していきたいと思っています。
現在取り組み始めている開発もその一つですし、不動産や設計など、土地に関わる領域へと事業の幅を広げていきたいと考えています。
測量は土地の現状を正確に把握する仕事ですが、その先には開発や建築、不動産取引など、さまざまなプロセスがあります。私たちは測量だけを提供するのではなく、土地に関する課題を総合的に解決できる存在を目指しています。
測量を起点に培ってきた知識や経験を活かしながら、土地に関わる仕事の価値を高め、地域やお客様により大きく貢献していきたいです。
そしてこれからも、土地の安心をつくり、まちの未来を支える存在であり続けたいと思っています。
一人で考える時間が、次の一手を生み出す
――お休みの日や、疲れたときのリフレッシュ方法はありますか。
一人で車を走らせながら考え事をする時間が好きですね。経営のことだったり、会社の未来のことだったり、普段はなかなか整理しきれないことを考える時間になっています。
私の場合、何もしないことがリフレッシュというよりも、考えを整理することで気持ちが整うタイプです。大きな課題も、小さな課題に分解して考えていくことを大切にしているので、そのための時間でもあります。
経営者として常に答えを求められる立場だからこそ、一人で考える時間を意識的につくるようにしています。