海外での肌荒れ経験から生まれたスキンケアブランド『MiR』――肌と心に寄り添うブランドづくり
株式会社MiR 代表取締役 熊谷真理氏
株式会社MiRは、スキンケアブランド「MiR(ミアー)」の企画・開発・販売を行う企業です。2025年1月の創業以来、クレンジング、洗顔、導入美容液の機能を兼ね備えた製品を通じて、忙しい日々の中でも無理なく続けられるセルフケアを提案しています。本記事では、代表取締役の熊谷真理氏に、ブランド誕生の背景や今後の展望について伺いました。
海外生活での肌悩みから生まれたブランド
――現在の事業内容について教えてください。
スキンケアブランド「MiR(ミアー)」の企画・開発・販売をメインで行っています。現在、販売している「ミアーアクアクレンジングセラム」は、クレンジング、洗顔、導入美容液の機能を兼ね備えたアイテムです。
夜はナチュラルメイクを落とすクレンジングとして、朝は洗顔の代わりに拭き取るだけでケアが完了します。忙しい日々の中でも無理なく続けられる点も特徴です。
――他社にはない強みはどのような点にありますか。
一番の強みは、私自身の経験から生まれたブランドであることです。
私はアメリカとドイツで9年間生活していましたが、その間、環境の変化やストレスによって深刻な肌荒れを経験しました。肌の状態が悪いと人に会うのも嫌になり、自信を失ってしまうことがあります。年齢を重ねることへの不安もあり、当時は人生そのものが楽しく感じられないほど悩んでいました。
そんな中、ヨーロッパで出会ったのが拭き取りタイプのクレンジングでした。特にドイツは硬水のため、洗い流す洗顔が肌への負担になることもあり、拭き取りケアが一般的です。私自身もそのケアを取り入れたことで肌の状態が変わり、それと同時に気持ちまで前向きになっていきました。
肌が整うことで自分に自信が持てたり、新しいことに挑戦する気持ちが生まれたりする。その経験から、肌と心はつながっていると強く感じるようになりました。
また、私はアメリカ滞在中にニューヨークでエステの資格取得や栄養学、色彩学、メイクアップを学び、その後ドイツでは現地サロンでエステティシャンやメイクアップアーティストとして活動してきました。日米独で学んだ美容知識や現場経験も、商品開発に活かしています。
MiRは、単に化粧品を販売するためのブランドではありません。肌に自信を持つことで前向きな一歩を踏み出せる人を増やしたい。そんな思いから生まれたブランドです。
BtoCからBtoBへ、広がり始めた販路
――現在の販売体制について教えてください。
現在はBtoCが中心で、Amazonや楽天で販売しています。
ゴールデンウィークには岩手県紫波町で開催されたイベントに参加し、多くの方に実際に商品を手に取っていただく機会がありました。
その際、数年前から私のSNSをフォローしてくださっていた方にお声がけいただいたり、イベント後には「開発ストーリーを聞いて心が動いた」というDMをいただいたりしました。
その経験から、化粧品は単に販売するだけではなく、実際に触れていただき、ブランドに込めた思いを知っていただく機会が大切だと改めて感じました。
今後はECだけでなく、イベント出展やサロン、店舗展開など、お客様と直接つながれる場を増やしていきたいと考えています。6月以降は都内のマルシェへの出店や、夏には札幌三越でのPOPUPも予定しています。
――法人開拓はどのように進めていますか。
卸サイトへの登録やビジネス交流会への参加を通じて、新しいご縁をいただいています。
実際にサロンオーナー様とお話しする中で、MiRの開発背景や商品の特徴に共感していただき、導入につながったケースもあります。最初は商談メールを中心にアプローチしていましたが、多くの企業様や店舗様は日々たくさんのご提案を受けています。そのため、メールだけでなく実際にお会いし、人柄やブランドへの思いを知っていただいてから商品をご紹介する方が、結果的に近道なのではないかと感じるようになりました。
パソコンの前で考える時間も大切ですが、それ以上に外に出て直接お話しすることで見えてくることがたくさんあります。今後も交流会やイベントなどに積極的に参加し、多くの方とのつながりを広げていきたいと思っています。
ブランド立ち上げ当初は、自分ですべてをこなそうと思っていました。しかし、ブランドを始めて9か月が経ち、餅は餅屋という言葉の意味を実感しています。
OEMの方々やデザイナーさんなど、それぞれの専門性を持った方のお力をお借りすることで、自分一人では実現できなかったことがたくさんありました。一人会社ではありますが、決して一人でブランドをつくっているわけではありません。支えてくださる方々への感謝の気持ちを忘れずに、日々ブランドづくりに向き合っています。
海外在住の日本人にも届けたい
――今後の展望について教えてください。
一番の野望は、アメリカ・ヨーロッパ展開です。アメリカやヨーロッパに住んでいた頃からのフォロワーさんが今も多く、いつか海外で暮らす日本人の方々にもMiRを届けたいという思いがあります。
海外で暮らしていると、どんなスキンケアを選べばよいかわからず悩む方が少なくありません。ドラッグストアの商品も現地語表記ですし、自分の肌に合う商品を探すのも簡単ではありません。私自身も海外で肌荒れに悩み、試行錯誤を繰り返してきたからこそ、海外で暮らす方々が安心して選べる存在になりたいと思っています。
まずは日本国内でブランドをしっかり育てながら、BtoBでの展開や、親和性の高い企業・イベントとのコラボレーションにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。直近では駐妻キャリアネット様とのコラボレーションも予定しています。
海外展開や販路拡大も目指していますが、その先にあるのは、肌に自信を持つことで前向きな一歩を踏み出せる人を増やすことです。
お客様との距離が近いブランドへ
――現在、向き合っている課題はありますか。
今まさにその課題の中にいます。
ECは重要な販売チャネルですが、イベントなどでお客様と直接お会いすると、ブランドへの共感や信頼はリアルな場だからこそ生まれる部分も大きいと感じています。一方で、限られたリソースの中でEC運営、商品開発、販路開拓を並行して進める必要があります。
ECを伸ばしながら、リアルな接点を通じてブランドの価値を伝えていく。そのバランスをどう取るかが、今まさに向き合っている課題です。
――3年後、どのような会社にしていたいですか。
規模はもちろん大きくしていきたいですが、それ以上に応援してくださる方がたくさんいる会社にしたいです。
今は素敵な化粧品が世の中にたくさんあります。成分が良い、使い心地が良いということはもちろん大切ですが、それだけでは選ばれ続けることは難しい時代だと感じています。
だからこそ、ブランドの理念やお客様との距離感、一つひとつの商品に込めた思いなど、人にしか生み出せない価値を大切にしていきたいです。
現在は2製品目となる化粧水「ミアーアクアヴェールミスト」の開発も進めています。構想から約1年半が経ちますが、妥協せず納得できるものをお届けしたいという思いで試作を重ねてきました。商品名はフォロワーの皆様へのアンケートをもとに決定したものです。
そして50歳、60歳と年齢を重ねても、「MiRと一緒に年を重ねたい」と思っていただけるブランドに育てていくことが目標です。
焦らず、考え、行動し続ける
――リフレッシュ方法を教えてください。
周りに公園が多いので、よく散歩をしています。
また、娘が中学受験を控えていることもあり、家族でカフェに行く時間が私にとって大切なリフレッシュになっています。
私がパソコンを持ち、主人は雑誌、娘は勉強道具を持って行きます。3人でずっと会話をしているわけではなく、それぞれが好きなことをして過ごす時間です。何気ない時間ですが、その時間が今の私にとって心を整える大切なひとときになっています。
――読者へのメッセージをお願いします。
私自身、さまざまな局面で心が折れそうになったこともありましたし、経営を始めてからも悩むことは日々たくさんあります。最近は少しずつ成功体験も積み重なってきましたが、それ以上にたくさんの失敗や試行錯誤を経験してきました。
そんな時、昔から母によく言われていた「キャリアは良い時ではなく、苦しい時にこそつくられる」という言葉を思い出します。最近、本当にそうだと感じています。
順調な時には見えないことも、苦しい時には自分と向き合わざるを得ません。その時間の中で考え、行動し、挑戦を続けることで、少しずつ前に進めるのだと思います。
どんな時も、焦らずに自分と向き合いながら、一歩ずつ進んでいけば道は開けると信じて頑張っています。私自身もまだ挑戦の途中です。ぜひ一緒に前に進んでいきましょう。