“経営者に寄り添う”という信念――株式会社タナベFP事務所が目指す事業承継支援のかたち
株式会社タナベFP事務所 代表 田辺健一氏
経営者にとって、事業承継は単なる株式譲渡や経営権の引き継ぎではありません。そこには会社を築き上げてきた想いや、家族・後継者との関係性など、数字だけでは測れない課題があります。株式会社タナベFP事務所では、そうした経営者の悩みに寄り添いながら、事業承継を中心とした支援を行っています。今回は代表の田辺健一氏に、事業への想いや経営者としての価値観、今後の展望について伺いました。
目次
経営者の想いをつなぐ事業承継支援
――現在取り組まれている事業内容について教えてください。
事業内容としては、「経営者の悩みに寄り添う」ということを軸に取り組んでいます。特に最近力を入れているのが事業承継です。
一般的には、事業承継というと株式譲渡や後継者への引き継ぎなどが中心に語られることが多いと思います。しかし私は、それだけでは本当の意味での事業承継は完結しないと考えています。大切なのは、経営者がどんな想いで会社を築いてきたのか、その想いを後継者へ伝えることです。
また、後継者側の考えや想いも経営者に伝える必要があります。そうした双方の橋渡し役として、間に立ちながら支援していきたいと思っています。
――他社にはない強みや特徴についてお聞かせください。
地元に根付いて活動していることが一つの強みです。また、私は20代前半から法人営業に携わり、多くの経営者と接してきました。社長や会長の悩みを聞くこともあれば、営業社員との間に入って話を聞くこともありました。
経営者側と従業員側、両方の立場の声を聞いてきた経験があるからこそ、それぞれの問題点や考え方を理解しながら話ができると思っています。
家族全体を見据えた“寄り添う支援”
――理念やビジョンにはどのような想いが込められていますか。
以前は、会社の財務面や退職金づくりなど、お金に関する支援が中心でした。しかし今は、事業承継そのものが非常に難しい時代になってきています。
中小企業の事業承継は、単に会社だけの問題ではなく、家族全体に関わるものです。社長と後継者だけではなく、親族を含めてどのように会社や資産を受け継いでいくかを考えなければなりません。
その準備ができていないと、会長や社長が亡くなられた後にさまざまな問題が起きてしまいます。だからこそ、最後まで寄り添いながら支援していける存在でありたいと思っています。
また、現在は保険代理店にも所属していますが、田辺FP事務所では保険販売は行わず、役割を明確に分けています。あくまでFP事務所として、経営者やご家族に寄り添う立場を大切にしています。
経営者の孤独に寄り添いたい
――起業されたきっかけを教えてください。
長年経営者の方々と接する中で、「経営者は孤独だ」と感じる場面が多くありました。だからこそ、経営者に寄り添える立場として活動したいと思い、起業しました。
私は“何でも屋”のような存在でありたいと思っています。相談を受けた際には、課題を聞き、その内容に応じて専門家や必要な人材を紹介する。そうした“集会役”のような役割ができればと考えています。
――経営判断の軸になっている価値観を教えてください。
私はもともとチャレンジャー気質なので、前に進んでいきたいという想いがあります。そして今は、自分自身の“承継”についても考えるようになりました。
将来的に息子にも関わってもらうことを考える中で、「恥ずかしくない会社にしたい」という想いがあります。そうした考え方を持つ経営者の方々にも寄り添っていきたいですね。
信頼と本音を大切にする組織づくり
――人との関わりで大切にしていることは何でしょうか。
人とのつながりを大切にしています。恩を受けたら恩を返したいですし、必要とされたら応えたい。その代わり、自分が必要な時には助けてほしい。そうした関係性を築いていきたいと思っています。
業者の方に対しても、言うべきことはきちんと伝えますし、求められたことには協力したいと考えています。
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
本音で話ができて、同じ目標に向かえる人と一緒に働きたいです。
今は会社を大きく拡大することよりも、お互いに助け合いながら成長していける関係性を重視しています。1+1が2ではなく、3にも4にもなるような関係を築いていきたいですね。
中立的な立場で“家族の橋渡し役”へ
――今後取り組んでいきたいことを教えてください。
今後は、家族間のファシリテーターのような役割をより強化していきたいと思っています。
社長と専務、会長と社長など、当事者同士では話しづらいこともあります。そうした場面で第三者として間に入り、お互いの意見を整理しながら、より良い方向へ進めるよう支援していきたいです。
「何かあった時は田辺を呼ぼう」と思っていただけるような存在になれたらうれしいですね。
――現在向き合っている課題についても教えてください。
「あれもやりたい、これもやりたい」と思う中で、整理しきれていない部分が課題です。また、これまで培ってきた営業経験や考え方を、若い世代にどう伝えていくかも考えています。
自分の考えを押し付けるのではなく、参考になる部分があれば伝えていきたい。そして、若い世代からの質問や考えにも耳を傾けながら、お互いに学び合える関係を築いていきたいと思っています。
“明るく楽しく元気よく”と信頼を胸に
――経営の中で譲れないものはありますか。
やはり「信頼」と「約束を守ること」です。私は“明るく楽しく元気よく”を大切にしていますが、その土台には信頼と信用があります。そこだけは絶対に守り通したいと思っています。
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
今は孫たちと過ごす時間が何よりの楽しみです。4歳の双子や2歳半、10か月の孫たちの成長を見ていると、生命の力強さを感じます。時には3人、4人まとめてお風呂に入れることもあります。
子どもたちの未来がより良いものになるように、自分自身も頑張っていきたいと思っています。未来の世代に負担を残さない社会であってほしいという想いも強くあります。だからこそ、経営者としても先の世代を見据えながら行動していきたいですね。