“家は洗える”という新提案――スカットジャパンが広げる外壁洗浄市場
スカットジャパン合同会社 業務執行社員 谷合 宗氏
スカットジャパン合同会社は、外壁洗浄を専門とする企業です。自社開発の洗浄剤を活用し、従来は対応が難しかった漆喰や天然素材の外壁にも対応し、「塗装ではなく洗浄する」という新たな価値観を広げています。また、女性でも軽自動車1台で始められる仕組みづくりや、短期間で現場デビューできる研修体制など、「誰でも取り組みやすい仕事」の創出にも力を入れています。本記事では、業務執行社員の谷合宗氏に、事業の特徴や経営に対する考え方、今後の展望などについて詳しく伺いました。
目次
“洗浄”で外壁を延命する新たなメンテナンスを提供
――現在の事業内容について教えてください。
当社は、外壁洗浄の専門店として全国展開を進めています。現在は30店舗まで拡大しており、加盟店募集にも力を入れているところです。
――他社との違いはどのような点にありますか。
自社で洗浄剤を開発している点が特徴で、一般的な外壁洗浄では対応が難しいとされる漆喰や天然素材の壁にも対応可能です。
漆喰は汚れが落ちにくく、さらに塗り替えが難しい素材でもあります。そのため、従来は「汚れたらそのまま」というケースも少なくありませんでした。
しかし当社では、自社開発の洗浄剤によって、そうした壁もキレイに洗浄できるようになりました。「塗装する」だけではなく、「洗浄によって維持する」という新たな選択肢を提案している点が強みです。
――施工面での特徴はありますか。
3階建てまでは、足場を使わずに施工しています。専用の機材を使うことで対応できるため、足場代を抑えられる点も特徴です。お客様にとっては、コストを抑えながら外壁をキレイにできるメリットがあります。
40歳で海上自衛官から経営者へ
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
もともとは、海上自衛官として働いていました。40歳で退職したのですが、その時に「40歳からの再就職は難しいのではないか」と感じ、起業を決意しました。
――起業後はどのような事業をされてきたのでしょうか。
かき氷屋の屋台からスタートし、その後はWeb制作や商品撮影など、広告関係の個人事業を行っていました。
現在はスカットジャパンのほか、タクシー会社やネイルケアサロンも経営しています。タクシー会社は、M&Aによって事業承継したものです。
――スカットジャパンは共同経営とのことですが、どのような経緯があったのでしょうか。
スカットジャパンは、私にとって初めての共同経営事業です。
共同経営者から「この事業をやりたい」と何度も相談を受けていたのですが、最初は正直半信半疑でした。ところが、毎日のように熱意を持って話をしに来るんです。その姿を見て、「そこまで本気なら一緒にやろう」と決めました。
現在は、共同経営者が現場や技術面を担当し、私はフランチャイズ展開を担当しています。
“対応品質”で差別化する
――現在の組織体制について教えてください。
グループ全体では、30名ほどの従業員がいます。事業は複数ありますが、どの事業でも共通しているのは、目の前のお客様や仕事に真摯に向き合う姿勢です。
フランチャイズ事業についても、本部だけで成り立つものではなく、加盟店と一緒に成長していくものだと考えています。そのため、長く安心して続けてもらえる環境づくりを意識しています。
――経営で大切にしていることは何でしょうか。
一番大切にしているのは、「レスポンスの速さ」と「ていねいさ」です。
外壁洗浄という仕事は、最終的には「壁をキレイにする」という同じ結果にたどり着きます。そのなかで差別化を図れるとすれば、対応品質やプロセスの部分かと思います。
当社は、価格帯だけでいうと決して安い部類だとはいえません。そのため「その価格で提供しているには理由がある」と感じていただけるような対応が不可欠で、加盟店にもお客様対応の品質保持は徹底してほしいと伝えています。
「壁がキレイになった」だけではなく、「この会社に頼んでよかった」と思っていただくことが重要です。
外壁洗浄をより多くの方に知っていただくために
――現在の課題について教えてください。
一番は、まだ認知が不足している点だと思っています。日本では「壁が汚れたら塗装する」という考え方が一般的で、「洗浄して延命する」という価値がまだ十分に知られていないのが現状です。
外壁洗浄は、生活必需サービスではありません。汚れていても生活はできますし、「次の塗装までそのままでいい」と考える方も少なくないでしょう。
ただ、洗浄によって建物をキレイに保ち、塗装サイクルを延ばせるという価値は、まだまだ広げられる余地があると考えています。
――認知拡大に向けて取り組んでいることはありますか。
展示会への出展やWeb広告への出稿など、地道な活動を続けています。また、加盟店と一緒に地域で認知を広げていくことも重視しています。
加盟店が増えれば施工実績も増えますし、それによって外壁洗浄というサービス自体の認知も広がっていくでしょう。無理に急拡大するというより、市場そのものを育てていくイメージで活動しています。
“誰でも軽自動車1台あれば始められる仕事”を社会に広げたい
――今後の展望について教えてください。
まずは、さらに全国展開を進め、出店空白地域を埋めていきたいと考えています。そのうえで、外壁洗浄というサービスそのものを社会にもっと認知させていきたいです。
そのために、今後は外壁洗浄だけではなく、ビルメンテナンスや美装事業とも組み合わせながら、総合的な美装事業として成長させていく考えでいます。また、AIを活用したロボット清掃なども視野に入れており、外壁洗浄だけではなく、ビルメンテナンスや美装事業も含めた総合的な美装事業として展開していきたいと思っています。
――最後に、会社としての目標もお聞かせください。
当社では、「新しい工法で新しい働き方を創造する」というミッションを掲げています。
女性でも、未経験でも、軽自動車1台あれば始められるように設計しており、実際に40代後半の女性加盟店オーナーも活躍しています。研修も2日間で、その後1か月ほどで仕事を始められる体制です。
なぜそのような仕組みを重視しているのかというと、仕事や生活に悩みを抱える方に、新しい働き方の選択肢を提供したいという想いがあるからです。
会社を大きくすることだけが、私たちの目的ではありません。外壁洗浄という仕事を社会に定着させ、少しでも多くの人が自立し、豊かな生活を送れる環境をつくっていきたいと考えています。