「真っ白で真っすぐ」を貫く――Pure Wings Labelが届ける音楽の力
NPO法人Pure Wings Label 代表 押田 じゅんこ氏
NPO法人Pure Wings Labelは、音楽事務所としての活動に加え、高齢者福祉施設や障害者福祉施設での訪問ライブなどにも取り組んでいます。代表の押田じゅんこ氏は、音楽業界で長年経験を積み、地域や福祉の現場に音楽を届け続けてきました。本記事では、押田氏が音楽業界で歩んできた道のりや大切にしている理念、組織づくりへの想い、そして今後の展望について伺いました。
音楽を届け続けるNPO法人としての使命
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
Pure Wings Labelは設立から14年になります。音楽事務所でありながら、NPO法人という法人格を持っていることが大きな特徴です。
私が小学校1年生くらいの頃から、祖母と一緒に高齢者福祉施設を訪問していました。祖母が踊りを教え、私は歌を歌う。そんな形で訪問ライブを行っていたんです。
歌を届けた際に、皆さんが喜んでくださる姿を何度も見てきました。そうした経験が、この活動を続ける原点になっています。現在も訪問ライブを続けながら、所属アーティストたちとさまざまな活動に取り組んでいます。
教育委員会や地域の団体、行政などからもお声がけをいただくようになりました。こうしたつながりは、私たちの大きな強みになっています。
――理念やビジョンについて教えてください。
音楽業界には、まだまだグレーな部分が多く残っています。
アイドルや歌手を目指す人たちに対して、高額な所属費用を求めるケースも少なくありません。実際に、「騙されてしまった」という話も耳にしてきました。
だからこそ私たちが大切にしているのが、「真っ白で真っすぐ」、そして「嘘をつかない」ということです。
所属するためのお金はいただきませんし、ライブ出演のために費用をいただくこともありません。
音楽をやりたいという気持ちを持った人たちが、安心して活動を続けられること。その環境を守ることが、設立当初から変わらない信念です。
諦めなかった音楽への想いが経営の原点
――経営者になられたきっかけを教えてください。
もともと経営者を目指していたわけではありません。当時はシングルマザーで、会社を立ち上げた頃は子どもたちもまだ小さかったんです。
離婚後は仕事をしながら子どもたちを育てなければなりませんし、生活を守ることにも必死でした。そんな中で、「真っ白で真っすぐな音楽事務所をつくってほしい」と声をかけていただきました。
ただ、すぐに決断できたわけではありません。自分に経営者が務まるのだろうか。子どもたちを育てながらやっていけるのだろうか。そんな不安もありました。
それでも周りの方々がたくさんアドバイスをくださり、音楽業界の先輩たちも背中を押してくれました。
「まずはやってみよう」
そうして一歩を踏み出したことが、今のPure Wings Labelにつながっています。
――経営をする上で大切にしていることは何でしょうか。
私はもともと動くことが好きで、どちらかというと現場の人間なんです。
学生の頃から音楽業界に携わってきたので、本当にいろいろな現場を見てきました。成功している方の話を聞く機会もありましたし、反対にうまくいかなかった方の話を聞くこともありました。もちろん、自分自身が失敗した経験もあります。
そのため、経営者になった今でも一人で判断しようとは思いません。分からないことがあれば周りに相談しますし、自分の失敗も隠さず話すようにしています。
現場に足を運び、人の声を聞くこと。そして、そこから学び続けること。
そうした積み重ねが、今の経営判断を支えているのだと思います。
一人ひとりと向き合う距離の近い組織づくり
――組織運営で大切にしていることを教えてください。
音楽の世界は少し特殊な部分があります。
歌が好きという気持ちで飛び込んでくる人も多いのですが、一人ひとりがさまざまな悩みや不安を抱えています。
そのため、音楽を教えるだけではなく、一人ひとりと向き合うことを大切にしてきました。
相談される内容も音楽のことだけではありません。学校や友人関係、将来への不安など、本当にさまざまです。そうした話を聞きながら、一緒に考えることも多いですね。
スタッフやアーティストとの距離はかなり近い方だと思います。「実は昨日こんなことがあって」と気軽に話してくれることも多く、何でも相談できる関係が自然とできています。
――どのような人と一緒に働きたいですか。
まずは正直な方ですね。
私は、会社自体が綺麗でなければいけないと思っています。だからこそ、そこで働く方にも誠実であってほしいんです。
それから、仕事にしっかり向き合えること。派手なことばかりを求めるのではなく、自分なりに考えながら取り組める方に魅力を感じます。
地味な仕事でも嫌がらず、コツコツ積み重ねていける姿勢はとても大切です。
どんな仕事も積み重ねれば必ず自分の力になります。一つひとつを大事にしながら取り組んでくれる方と、一緒に歩んでいきたいですね。
音楽を届ける場所をさらに広げていきたい
――現在取り組まれている新たな挑戦について教えてください。
ありがたいことに、これまでの活動を通じて大手企業や大きな団体からお声がけをいただく機会が増えてきました。
小さなコミュニティから始まった活動ですが、少しずつ知っていただけるようになり、ご縁も広がっています。
最近では音楽活動だけでなく、映画への出演機会をいただくこともあります。所属アーティストが作品に参加させていただいたり、大きなステージに立たせていただく機会も増えてきました。
アーティストたちが活躍できる場が少しずつ広がっていることは、とても嬉しいですね。
――今後の展望について教えてください。
今年の年末には、ホテルの催事会場を貸し切り、所属アーティストだけによるライブを開催する予定です。
来年はさらに大きなステージにも挑戦したいです。そのために、大きな事務所とのコラボレーションなども視野に入れながら準備を進めています。
また、訪問ライブもこれまで以上に広げていきたいです。
高齢者福祉施設をはじめ、さまざまな施設へ所属アーティストの歌声を届けることで、より多くの方に音楽の力や楽しさを感じていただきたいんです。
これからも活動の場を広げながら、一人でも多くの方に歌を届けていきたいですね。
2026年7月1日より、押田じゅんこはPure Wings Labelの会長に就任し、新たに新会社の社長に就任し中小企業の為に、更にPure Wings Labelをバックアップし、今後の音楽業界の為に邁進していきます。
映画と料理がくれる大切なリフレッシュ時間
――リフレッシュ方法を教えてください。
実は、休みはほとんどありません。
経営者になると休日でも連絡が入りますし、急な対応が必要になることもあります。完全に休みという日はなかなかないですね。
そんな中での楽しみが映画鑑賞です。ジャンルを問わず、その時に見たい作品を楽しんでいます。
もう一つの楽しみは料理です。
包丁で野菜を刻んだり、好きな味付けを考えたり。自分の手で何かを作る時間は、今でも大切なリフレッシュ方法です。