変化に対応しながら信頼を積み重ねる――ムツミ印刷株式会社が大切にするものづくりの姿勢
ムツミ印刷株式会社 取締役社長 黒田敦氏
ムツミ印刷株式会社は、紙製パッケージを中心に、販促物や各種印刷物の企画・製作を手がける企業です。お客様のイメージを形にすることを大切にしながら、長年にわたり多くの製品づくりを支えてきました。今回は取締役社長の黒田敦氏に、事業への思いやこれまでの歩み、今後の展望について伺いました。
お客様のイメージを形にするパッケージづくり
――現在の事業内容について教えてください。
当社は主に紙製パッケージの製作を行っています。メーカー様を中心にお客様のもとへ伺い、パッケージや販促物などを製作する事業を展開しています。
パッケージづくりにおいて大切にしているのは、お客様が思い描くイメージをできる限り正確に形にすることです。例えば「赤いパッケージ」と一言でいっても、お客様によって求める色味は異なります。そのため、細かな要望を丁寧に確認しながら、ご納得いただける仕上がりを目指しています。
――他社にはない強みについて教えてください。
当社独自の技術として過去には「ハンガーディスプレイ」の特許を取得していました。現在は特許期間が終了していますが、この分野については現在でも数多くの実績があります。
特に新商品を市場へ投入する際、定番売場へ展開する前の販促施策として活用されるケースも多く、当社ではパッケージだけでなく、こうした販促ツールの製作にも力を入れています。規模的に同業他社ではあまり多く手がけていない領域でもあり、当社の得意分野の一つになっています。
創業者との出会いが人生を変えた
――会社に入られた経緯を教えてください。
創業者である岡本氏とは、もともと別々の印刷会社で働いていた頃からの知り合いでした。同じお客様先で顔を合わせることも多く、仕事以外でも食事に連れて行っていただくなど交流が続いていました。
その後、私が前職を離れた際に声をかけていただき、岡本氏が在籍していた会社で働くことになりました。さらに岡本氏が独立する際、「ついて行かせてください」とお願いしたことが、現在のムツミ印刷株式会社でのスタートです。
創業当初は4人ほどの体制で、設備も持たず、受注した印刷物を協力会社へ依頼するところから始まりました。その後、大阪や東京の拠点立ち上げなどにも携わりながら経験を重ね、現在に至っています。社長就任も自ら望んだというよりは、岡本氏から声をかけていただいたことがきっかけでした。現在も営業としてお客様を担当しながら経営に携わっています。
――経営判断の軸となる考え方はありますか。
一番大切にしているのは「正直であること」です。
当社の仕事は、一度きりではなく長くお付き合いいただくことが理想です。そのためには信用が欠かせません。信用は築くのに時間がかかりますが、失うのは一瞬です。私自身、これまでの経験を通じてその重みを実感してきました。
だからこそ、どんな場面でも誠実に向き合い、正直であり続けることを経営の根底に置いています。
変化に対応できる会社であり続けるために
――会社の理念やビジョンについてお聞かせください。
近年は市場環境の変化が非常に大きくなっています。さまざまな外部環境の変化がある中で、企業として重要なのは変化に対応できる力を持つことだと考えています。
将来こうなりたいという理想像を描くことも大切ですが、それ以上に変化を受け止め、その中で利益を確保しながら会社を成長させていくことが重要です。日々変わる環境にどう対応していくかを常に考えています。
――今後取り組んでいきたいことを教えてください。
これまでは紙やフィルムへの印刷が中心でしたが、現在はアクリルやPPなど紙以外の素材にも印刷できる設備を導入しています。さらに新たな設備導入も予定しており、今後は紙以外への印刷にも対応していく考えです。
ただし、新しい設備を導入すること自体が目的ではありません。市場に新たな需要が生まれているからこそ、それに応えるための取り組みです。これも変化に対応するための一つの挑戦だと考えています。
――現在感じている課題はありますか。
会社経営において常に課題となるのは、売上と利益の確保です。既存のお客様だけでは売上が減少していく可能性もあるため、新規開拓や新たな需要の取り込みが欠かせません。
また、近年は原材料価格の上昇が続いています。用紙価格の値上げも頻繁に発生しており、こうしたコスト上昇に対応しながら、お客様にもご理解いただき、適正な利益を確保していくことが大きな課題となっています。
信頼を守り続けることが最大の価値
――組織運営で大切にしていることを教えてください。
現在、私は大阪を拠点に営業活動を行っているため、本社とのコミュニケーションについては常に課題意識を持っています。月に一度の会議や本社へ行く機会には積極的に社員と話し、状況を聞くように心がけていますが、まだ十分ではないと感じています。
だからこそ、社員一人ひとりとの対話を大切にしながら、組織づくりに取り組んでいます。
――どのような人と一緒に働きたいですか。
やはり誠実であること、そして仕事に対して情熱や熱意を持っていることです。
意見が違うこと自体は問題ではありません。実際に役員たちも私と異なる意見を率直に伝えてくれますし、思い立ったらすぐに行動へ移す姿勢に助けられています。そうした前向きな行動力を持った方と一緒に働ければ理想的ですね。
――最後に、休日のリフレッシュ方法を教えてください。
休日はアコースティックギターを弾いて過ごすことが多いです。若い頃はバンド活動もしていましたが、現在は一人で楽しめるギターが良い気分転換になっています。
また、旅行も好きで、時間を見つけて出かけることがあります。そうした時間を通じて気持ちを切り替え、また仕事に向き合っています。