人の成長と暮らしを支える――ONE’S Internationalが描く「人のため」の事業づくり

株式会社ONE’S International 代表取締役社長 完戸 勇磨氏

株式会社ONE’S Internationalは、運動・栄養・休養の3つを柱に、健康に関わる事業を幅広く展開しています。パーソナルトレーニングジムやトレーナー派遣、飲食店、ヨガ、整体などに加え、総合建築や害虫駆除、SNSマーケティングにも取り組んでいます。会社設立の背景にあったのは、コロナ禍によって働く場所を失いかけたスタッフを守りたいという思いでした。今回は、創業の経緯や事業に込めた理念、組織運営で大切にしていること、今後の展望について伺いました。

人の働く場所を守るために始めた会社

――会社を立ち上げた経緯を教えてください。

当社は2020年3月25日に法人登記しました。当時は新型コロナウイルスの影響が大きく、私が勤めていた会社も事業を停止せざるを得ない状況になりました。

当時、私は管理職としてスタッフをまとめる立場にいました。会社の事業が止まれば、自分についてきてくれたスタッフの働き口もなくなってしまいます。その状況を目の前にして、自分が会社を立ち上げなければならないと考えたことが創業のきっかけです。

経営や法人運営に関する知識はほとんどなく、定款も自分で作成し、役所や法務局に通いながら法人登記を進めました。マンションの一室でパーソナルトレーニングジムを始めたところからのスタートです。

――現在の事業内容と強みを教えてください。

中心となるのは、運動・栄養・休養の3つの領域です。運動分野では、パーソナルトレーニングジムの運営や、大手フィットネスクラブへのトレーナー派遣を行っています。

栄養分野では、所沢市で昼と夜に業態や店名、働くスタッフが変わる二毛作の飲食店を運営しています。昼はわっぱ弁当、夜は所沢野菜酒場として、地域の農家を応援しながら地産地消に取り組んでいます。

休養分野では、ヨガや整体、よもぎ蒸し、タイ古式マッサージなど、身体のケアに関わるサービスを展開しています。そのほか、総合建築や害虫駆除、SNSの運用支援にも取り組んでいます。意図的に事業を増やしたというより、人とのご縁によって一つずつ広がってきました。

身体づくりを通じて、人の成長を支える

――企業理念には、どのような思いが込められていますか。

企業理念として掲げているのは、「身体作りを通じて、人の成長を支える企業に」という言葉です。

当社には、人のために生きたいと考える人が集まっています。人の心と身体の成長を支え、人を中心に考える企業でありたいという思いを込めています。

――経営判断で大切にしている価値観を教えてください。

代表取締役だから偉いという考えはありません。アルバイトを含め、会社に所属する全員が横並びであり、肩書きは役割分担の一つにすぎないと考えています。

一人ひとりの個性を尊重し、その人の人生を預かっているという意識で向き合うことを大切にしています。

現場を信頼し、一人ひとりの判断を尊重する

――現在の組織体制について教えてください。

現在は約40名のスタッフが在籍しています。フィットネス、飲食、ケア、総合建築など、各事業に責任者を一人ずつ配置し、その事業における代表のような役割を担ってもらっています。

事業に関する決定権は、基本的に責任者へ委ねています。現場を理解している人が状況を見たうえで判断したことであれば、その意思を尊重します。相談を受けた際も、基本的には否定せず、「イエス」「はい」「喜んで」という姿勢で応えています。

――社内のコミュニケーションで意識していることは何でしょうか。

自分が偉いと過信しないことです。それぞれが自分の役割や強みを理解し、力を発揮することが、組織には欠かせないと考えています。

また、人の失敗を許す心も大切です。創業当初は何をしてもうまくいかず、自分自身が心身ともに疲れ切った時期もありました。その経験から、失敗には何かしらの理由があり、意図的に起こしたものではない場合も多いと考えるようになりました。

見て見ぬふりをするのではなく、なぜそうなったのかを考えることが、コミュニケーションでは重要だと思っています。

紹介で広がる、人を中心とした組織

――採用では、どのような人と働きたいと考えていますか。

当社では、求人広告を一切出していません。現在働いているスタッフからの紹介によって、人財の輪が広がってきました。スタッフが紹介してくれる方であれば、信頼できる方だと考えています。

一方で、外部から働きたいと希望してくださる方も、喜んで受け入れたいと思っています。どのような人であっても、その人が楽しく人生を送れる環境をつくり、何かしらの役割を持てる会社にしたいです。

働く人の生活を豊かにする事業へ

――今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

最も大切にしたいのは、当社に思いを寄せてくれているスタッフの満足度を高めることです。福利厚生を充実させるという視点から、今後もさまざまな事業を展開していきたいと考えています。

たとえば、住宅設備に不具合が起きたとき、会社に相談すれば早く、安く対応してもらえる。そのような環境があれば、スタッフに「この会社にいると便利だ」と感じてもらえると思います。総合建築をはじめとする事業も、働く人の生活を豊かにしたいという思いにつながっています。

今後は「衣食住」をテーマに、スタッフの暮らしを支えられる事業を増やしていきたいです。事業拡大そのものが目的ではなく、スタッフ満足度を高めることが目的です。

――今後の課題をどのように捉えていますか。

100年続く企業をつくるために、理念を次の世代へどのように引き継ぐかが課題です。私とまったく同じことができる人を求めているわけではありません。「人のためを思う」という根幹だけを受け継ぎ、その時代に合う形へ進化させてもらいたいと考えています。

読書との出会いが変えた価値観

――影響を受けた人物や出来事について教えてください。

以前の私は、自分の楽しさや都合を優先する、利己的な人間だったと思います。その考え方を変えるきっかけをくださったのが、日本赤十字北海道看護大学の安酸史子学長です。

読書をする意味を教えていただき、さまざまな本を読むようになりました。多様な価値観や考え方に触れ、言葉や思考の引き出しが増えたことで、現在の考え方にたどり着きました。

「ありがとう」の言葉が原動力になる

――どのようにリフレッシュしていますか。

創業から約6年で多くの事業を抱えているため、現在はほとんど休みがありません。それでも、お客様からいただく「ありがとう」という言葉が励みになり、原動力になっています。

害虫駆除によって長年の悩みが解消されたときや、リフォーム後の建物を見て喜んでいただいたとき、トレーニングを続けていたお客様が妊娠・出産され、お子さんを連れて挨拶に来てくださったときなど、お客様が感動する姿を見ることに大きな喜びを感じます。

当社のサービスによって誰かの生活が良くなり、直接感謝の言葉をいただける。その瞬間があるからこそ、これからも人のために事業を続けていけるのだと思います。

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