心と情熱を戦略に込め、大阪のモノづくりを世界へ――地域とともに未来を切り拓くMP-Strategyの挑戦

MP-Strategy合同会社 代表 目黒 充明氏

MP-Strategy合同会社は、ホームページ制作やWeb広告運用、動画・VR制作、販促物制作などを通じて、製造業のブランディングや販路開拓を支援しています。さらに行政や大学、地域の経営者とも連携し、大阪のモノづくりを盛り上げる活動にも取り組んできました。今回は代表の目黒充明氏に、事業への想いや地域での挑戦、今後の展望について伺いました。

製造業の魅力を引き出し、販路開拓まで支える

――現在の事業内容について教えてください。

当社は東大阪に本社を構え、主に製造業のお客様を支援しています。

以前は、モノづくり企業には自然と注文が入る文化がありましたが、海外との競争が激しくなり、自ら仕事を獲得する必要が出てきました。営業担当がいない企業も多いため、ホームページが営業活動の基盤になると考えています。

ホームページ制作のほか、Web広告運用、動画・VR制作、チラシやパンフレットなどの販促物制作まで対応しています。自社製品を開発したい企業には商品開発から携わり、どのように市場へ届けるかという販路づくりも一緒に考えているんです。

――他社にはない強みはどのような点でしょうか。

単に見た目がきれいなホームページを作るのではなく、企業への取材を徹底し、その会社ならではの強みを分析します。経営理念や社長の想いも丁寧に汲み取り、「この会社に発注したい」「ここで働きたい」と思ってもらえる構成を考えます。

価格だけで勝負するつもりはありません。その企業が持つ価値を正しく伝えることが、私たちの役割です。

また、行政や大学との共同研究にも取り組み、当社だけでなく、大阪全体のモノづくりをどう発展させるかを地域の経営者と考えています。こうした活動から生まれる信頼も、大きな強みですね。

「心」と「情熱」を持って地域と未来をつくる

――会社の理念やビジョンについて教えてください。

社名の「MP-Strategy」は、「Mind(心)」「Passion(情熱)」「Strategy(戦略)」を組み合わせたものです。心と情熱を持って戦略を考え、お客様に何を提供できるかを真剣に考え続ける。その想いを込めています。

会社は仕事をするだけでなく、人として成長する場所でもあります。仕事では嬉しいこともあれば、困難やトラブルも起こります。その経験を通じて、人としての魂を磨ける場にしたいんです。

私は長年東京で働いていましたが、地元へ戻り、「地域は自分達でつくっていく文化が必要だ」と感じました。一人の経営者が良くなれば社員が良くなり、社員が良くなれば家族も幸せになる。その輪が広がれば、街全体が元気になります。

東大阪を、みんながワクワクできる街にしていきたいですね。

VRで町工場の価値を発信する

――VR事業を始められたきっかけを教えてください。

VRに取り組み始めたのは2018年頃です。コロナ禍で製造業の売上が半減し、営業・展示会も実施できない中、新たな発信方法として、「VRを使えば遠隔でも工場を見てもらえる」と考えました。

そこで、24時間いつでも町工場を見学できる「VR EXPO」を立ち上げたんです。

以前の町工場には「技術を見せるのは御法度の文化」という考えもありました。しかし、時代が変わり、詳細な技術は盗まれることはなく、普段入ることができない、工場を見てもらうことにしました。実際、反響を大きく、サイト公開後には北海道や九州からも問い合わせがあり、発信の大切さを地域の経営者にも実感していただけました。

万博を新たな挑戦のスタートに

――地域で取り組まれているプロジェクトについて教えてください。

大阪・関西万博の開催が決まり、「経営者として何ができるだろう」と考えました。そこで仲間と「TEAM EXPO 2025」に参画し、海外向けの英語版サイトも制作しました。

コロナ禍では大阪のモノづくりをVRで体験していただき、万博開催時にコロナも明け、リアルに外国人1,000人の方が実際に地域へ足を運んでもらうことを目標に活動を続けました。その後、地域イベントでのVR工場見学などを重ね、2025年には大阪・関西万博への出展も実現しました。そして、2025年8月12日から1週間、大阪パビリオンでVRドームを設置し、大阪のモノづくりの凄さをVRで体験いただきました。結果、 12,219名の方に来場いただきました。

ただ、万博はゴールではありません。私たちにとっては、次の挑戦を始めるスタート地点です。

東大阪から世界へ挑戦する

――今後取り組んでいきたいことを教えてください。

私たちは常に5年先を見据えています。次の目標は、日本のモノづくり企業が海外へ展開できる道筋をつくることです。その先には2030年のリヤド万博への出展も視野に入れています。

現在は中東市場に注目しています。日本の技術は高く評価されているので、その価値をさらに広めたいです。

また、大阪IRの開業も見据え、東大阪を京都や奈良への通過点ではなく、「ここにも行きたい」と思われる地域にしたいと考えています。工場見学と地域のグルメを組み合わせ、ものづくりを体験できる観光の形も構想しています。

食のコンテストを開き、そこで生まれた商品を大量生産する機械を地域の製造業がつくる。そんな循環が生まれれば、地域全体を盛り上げられると思うんです。

人とのつながりが挑戦を支える

――現在の課題と、それにどう向き合っていますか。

海外展開には、資金や契約、英文書類、各種手続きなど、多くの課題があります。小さな企業だけで、すべてを解決するのは簡単ではありません。

だからこそ、行政や支援機関、専門家とのつながりが重要です。日頃から信頼関係を築いていれば、「この人に相談してみたらいい」と紹介してもらえることもあります。

事業を進めるには、お金だけでなく、人の協力や信頼が欠かせません。課題を一つずつ乗り越えていくことが難しさであり、同時に醍醐味でもありますね。

――最後に、読者へメッセージをお願いします。

私たちが目指しているのは、自社だけが成長することではありません。

東大阪のモノづくり企業が元気になり、その魅力が国内外へ広がることで、地域全体が活性化する。そんな未来を本気で実現したいと考えています。

日々の活動も積極的に発信していますので、その想いに共感してくださる方と一緒に、新しい挑戦ができれば嬉しいですね。

これからも心と情熱を持って戦略を描き、大阪のモノづくりを未来へつないでいきたいと思います。

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