DXの第一歩はホームページから――中小企業の魅力を引き出し、未来につなげる伴走支援
合同会社Flow Design ASBL 代表 岡安 光太郎氏
創業2年目を迎えた合同会社Flow Design ASBLは、ホームページ制作とDX支援を軸に、中小企業や個人事業主の課題解決に取り組んでいます。特に、ホームページを単なる制作物ではなく、企業の魅力を発信し、DXへの入り口となる存在として位置づけていることが特徴です。今回は代表の岡安光太郎氏に、事業への思いや経営の価値観、今後の展望について伺いました。
ホームページ制作をDXの入り口に
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
主な事業はWebサイト制作と、「DX学校 市川校」の運営です。DX学校 市川校は全国展開しているフランチャイズ組織の加盟校として運営しており、個人や中小企業に向けたDX支援を行っています。
ただ、現状ではWebサイト制作が事業の中心です。DXと言われても何から始めればいいのか分からない企業は少なくありません。そこで、まずはホームページの整備をデジタル活用の入り口の一つと考えています。特に建設業や建築業、工務店など、まだホームページを持っていない企業も多くあります。そうした企業の魅力を発信するお手伝いをしたいという思いで取り組んでいます。
――業界内での強みはどのような点にありますか。
ホームページは制作しただけで更新されなくなってしまうケースが少なくありません。その理由として、自分で更新できない仕組みだったり、更新作業が難しかったりすることが挙げられます。
当社では「STUDIO」という国産のホームページ制作ツールを活用しています。日本語の情報が充実しており、操作方法も調べやすいため、お客様自身でも更新しやすい点が特徴です。また、「CMS」も導入し、お知らせやブログなどの更新がしやすい環境を整えています。ホームページを作って終わりではなく、長く活用していただけることを大切にしています。
――理念やビジョンについて教えてください。
創業間もないこともあり、明確なビジョンとして言語化できているわけではありませんが、昔から地域で事業を続けている企業には、優れた技術や魅力があるにもかかわらず、それが十分に伝わっていないケースが多いと感じています。
ホームページ制作を通じて、そうした企業の魅力を引き出し、発信するお手伝いをしたいと考えています。そして将来的には、ITを活用した業務効率化やDX支援まで広げ、人手不足に悩む中小企業を支援していきたいと思っています。
必要に迫られた挑戦が新たなキャリアにつながった
――経営者になられた経緯を教えてください。
大学卒業後は製薬会社で長年営業職に携わっていました。もともとWeb業界とはまったく関係のない仕事です。
40代を迎えた頃、会社のルールの中で働き続けることに息苦しさを感じるようになり、「いつか自分で何かやってみたい」という思いを持つようになりました。その後、会社を退職し、地域コミュニティの運営に携わる機会がありました。
活動を広く知ってもらうためにWebサイトが必要になり、自分で調べながら制作したことが現在の仕事につながっています。初めて作ったホームページが地域の方々に喜ばれ、「便利になった」という声をいただいたことが、この仕事の魅力を感じるきっかけでした。
――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。
一番大切にしているのは、お客様に価格以上の価値を提供することです。そして、お客様からいただいた要望にはできる限り応えたいと考えています。
スタートアップ企業からご相談いただく際には、ホームページ制作だけでなく、サービス内容そのものを一緒に整理することもあります。依頼された範囲だけで終わるのではなく、お客様にとって本当に必要なことまで踏み込んで支援する姿勢を大切にしています。
一人だからこそ、お客様に最後まで寄り添う
――お客様とのコミュニケーションで意識していることを教えてください。
Web業界は成果が見えにくく、専門知識も必要なため、お客様にとって分かりづらい部分が多い業界だと思います。そのため、「何となく任せるしかない」という状況になってしまうこともあります。
私はそうした不透明さをできるだけなくしたいと考えています。ホームページを納品して終わりではなく、その後も更新や運用について相談できる体制を整え、定着するまで伴走することを心掛けています。
現在は一人で事業を運営しています。税務については顧問税理士に相談していますが、それ以外の業務は基本的に自分で対応しています。
現在は一人で制作から運用サポートまで一貫して担当しているため、受注件数を追うのではなく、一件一件のお客様としっかり向き合うことを優先しています。
ホームページ制作から、その先のDX支援へ
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
現在は自社WebサイトのSEO対策に加え、生成AIによる検索・情報収集の変化を見据えたWebサイト改善にも取り組んでいます。ホームページは作るだけでは検索されないことも多く、公開後の運用が重要になります。
こうしたノウハウを自社だけでなく、お客様にもサービスとして提供し、検索順位の向上や継続的な集客まで支援していきたいと考えています。
また、将来的にはWebサイト制作だけでなく、企業の業務全体を見据えたDX支援にも取り組んでいきたいと思っています。そのためには企業の業務内容を深く理解し、最適なタイミングで提案できるよう知識や情報を常にアップデートしていきたいと考えています。
温泉と家族との時間が仕事の活力に
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
温泉へ出かけたり、おいしいものを食べたりして過ごしています。また、娘と一緒にオンラインゲームの「フォートナイト」を楽しむことも、良い息抜きになっています。
一方で、Webサイト制作は細かな部分が気になり始めると、つい作業を続けてしまう仕事でもあります。そのため、明確に「休み」という感覚はあまりありません。それでも家族との時間や趣味を楽しみながら気持ちを切り替え、お客様一人ひとりに価格以上の価値を届けられるよう、これからも伴走型の支援を続けていきます。