茅ヶ崎で障害のある方の暮らしを支える、地域に根差したグループホーム運営

株式会社cokona 代表 石塚 敦士氏

神奈川県茅ヶ崎市で、障害のある方を対象としたグループホームを運営している石塚氏。現在は市内に3拠点を展開し、犬や猫などの動物と共に暮らせる環境も特徴の1つです。事業の原点にあるのは、障害のある弟を身近で支えてきた経験と、「親亡き後」の住まいに対する課題意識です。利用者一人ひとりと向き合う支援に加え、職員が安心して長く働ける組織づくりにも注力する石塚氏に、運営で大切にしていることや、経営の道に進んだきっかけなどについて伺いました。

地域のなかで当たり前に暮らせる場所をつくる

――現在の事業内容について教えてください。

当社の事業内容は、神奈川県茅ヶ崎市で障害者向けのグループホーム運営です。現在は茅ヶ崎市内に3拠点あります。

特徴の1つは、犬や猫などの動物と一緒に暮らせる環境です。また、利用者さん一人ひとりと向き合いながら支援していくことを大切にしています。

――グループホームを運営する上で、大切にしていることは何ですか。

私は、グループホームは地域のなかで皆さんが生活するための場所だと考えています。障害分野への理解は以前より広がっていると思いますが、まだ十分ではないと感じることも少なくありません。

閉ざされた場所として見られるのではなく、地域のなかに当たり前にあるものにしていきたいです。そのためには、グループホームがどのような場所なのかを伝え、障害への理解を広げていくことも事業者の役割だと思っています。

弟の存在をきっかけに、未経験から福祉の道へ

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

前職は、現在とは異なる業界で約12年間勤務していました。もともと弟に障害があり、家族として支援に関わるなかで、障害のある方を取り巻く社会の課題を身近に感じてきました。

特に課題だと感じていたのが、「親亡き後」の住まいです。親御さんが亡くなった後、その子がどこで、どのように生きていくのか。そうした不安に寄り添いたいという思いが、一番のきっかけでした。

――グループホームという事業を知った経緯は何だったのでしょうか。

障害のある方の住まいが不足しているという内容をテレビで見て、興味を持ちました。そこから自分で調べていくなかで、グループホームという事業を知ったのです。

未経験の業界でしたが、どうせ新しいことに挑戦するのであれば、自分でやりたいと思いました。

――立ち上げ当初は、どのような苦労がありましたか。

不安はずっとありました。特に、物件が見つかるか、職員が集まるか、利用者さんが入ってくれるかという3点は大きかったです。

立ち上げ当初は職員が4、5人ほどのときもあり、急な退職や欠勤があれば私が現場に入ることも多かったです。立ち上げから2年目前半くらいまでは、5日連続で泊まり込むようなこともありました。

肉体的にはかなり大変でしたが、利用者さんとコミュニケーションを取り、それぞれの特性を理解しながら信頼関係を築いてきました。

職員が長く働き、成長できる組織を目指す

――組織運営で特に重視していることは何ですか。

私は、この事業は職員がいなければ成り立たないと考えています。職員にどうすればモチベーションを持って働いてもらえるのか、どのようにスキルを高めてもらうのか。さらに、安心して長く続けてもらうための体制づくりも重要です。

現在は20人近い職員が働いています。また、グループホームの運営に必要なサービス管理責任者は3人です。利用者さんの目標を一緒に考え、継続的に支援できる体制を手厚くしています。

――人材育成や定着のために取り組んでいることを教えてください。

当社が重視しているところは、採用ではありません。育成と定着の取り組みに注力していて、特にOJTはしっかり行うようにしています。

短時間だけ一緒に働き、一人で勤務してもらう形では、未経験で入った方はなかなか続きません。何日か一緒に仕事をしながら、相談できる体制を整えることが大切だと考えています。

また、研修にも参加してもらっています。今後はマニュアル化もさらに進め、職員が長期的なキャリアを思い描ける体制にしたいです。パートから社員を目指したり、管理者を目指したりできるよう、活躍の場を増やしていきたいと思っています。

重度の方の受け皿と、地域とのつながりを広げる

――今後、特に挑戦したいことは何ですか。

1つは、重度の障害がある方の受け皿をつくることです。現在は比較的、軽度から中度の方を中心に受け入れています。

重度の方を受け入れるには、バリアフリーなどの設備が必要です。職員にも、より高い技術や経験、知識が求められますし、設備を整えるための資金も必要です。

それでも、重度の方の受け皿が少ないことは、以前から課題だと感じています。弟の障害のこともあり、もともとそこまで取り組みたいという思いがありました。

――新たな拠点についても計画されていますか。

2026年9月には女性棟を始めます。現在の利用者は男性のみですが、女性の当事者から、多くの声が寄せられていたためです。

拠点を増やすことは、利用者さんの受け皿を増やすだけではありません。今働いている職員の活躍の場を広げることにもつながります。職員がさまざまな役割に挑戦できる企業にしていきたいです。

――地域との関わりについて、どのように考えていますか。

新しく事務所を構えたので、会議だけでなく、地域の方に集まっていただくイベントなどにも活用したいです。地域の窓口や拠点のような場所にできればと思っています。

お祭りやゴミ拾いなど、地域と一緒にできることもあります。地域との結びつきをつくりながら、グループホームや障害についての理解を広げていきたいです。

私は、地域の方々に支えられていると思っています。利用者さんを紹介していただいたり、「がんばってね」と声をかけていただいたり、地域の方に応援してもらいながらここまで来ました。

だからこそ、福祉という分野を通して地域に貢献したいです。エリアをむやみに広げるのではなく、まずは茅ヶ崎を中心とした地域のなかで拠点を増やし、自分たちなりの役割をつくっていきたいと考えています。

心身を整えるために、走る時間を持つ

――仕事を離れた時間には、どのようにリフレッシュしていますか。

私は運動することが好きで、特に走るようにしています。健康管理のためでもありますが、走ることで気持ちもリフレッシュされます。

当社のグループホームには、精神障害のある利用者さんも多くいらっしゃいます。そうした方を支えていくためには、支援する側である私自身が、まず心身ともに健康でいる必要があると思っています。

自分自身の状態を整えることも、利用者さんを支えるために必要なことです。そのため、これからも運動を続けながら、自分自身の健康を大切にしていきたいと考えています。

Contact usお問い合わせ

    お問い合わせ内容
    氏名
    会社名

    ※会社・組織に属さない方は「個人」とお書きくだい

    役職

    ※会社・組織に属さない方は「一般」をお選びください

    メールアドレス
    電話番号
    どこでお知りになりましたか?
    お問い合わせ内容

    プライバシーポリシーに同意して内容を送信してください。