地域に根ざし、スポーツの「居場所」をつくり続ける――クラブ・ドラゴンズが描く持続可能な地域スポーツのかたち
特定非営利活動法人クラブ・ドラゴンズ クラブマネジャー 三渕 和也氏
特定非営利活動法人クラブ・ドラゴンズは、茨城県龍ケ崎市を拠点に、子どもから高齢者まで幅広い世代を対象とした総合型地域スポーツクラブを運営しています。2002年の設立以降、地域に密着したスポーツ活動を継続しており、現在も行政や大学とも連携しながら持続可能な地域スポーツのあり方を模索し続けています。本記事では、クラブマネジャーの三渕和也氏に、法人の現状やご自身の歩み、今後の展望などについて伺いました。
地域とともに歩むスポーツクラブ
――現在の事業内容とクラブの特徴について教えてください。
龍ケ崎市で総合型地域スポーツクラブを運営しています。2002年に設立し、2010年に現在の総合型クラブとしての形に移行しました。キッズ向けの教室、競技志向のアスリートクラス、シニア向けの健康づくりプログラムまで、世代や目的に応じた活動を展開しています。
特徴は、月額制で複数の教室に参加できる仕組みを採用している点です。運営は簡単ではありませんが、「総合型地域スポーツクラブの在り方を考えたうえで「参加しやすさ」を優先しています。
――行政や大学との連携については、どのように進めてきたのでしょうか。
2020年から、市内のスポーツ施設の指定管理業務を担っています。複数の企業とジョイントベンチャーを組み、市内のスポーツ施設全体を管理する形です。また、2022年には流通経済大学と包括連携協定を締結しました。
大学との関係自体は実は以前からあったのですが、正式な形にできていなかったため、改めて協定を結びました。行政や大学と連携しながら、地域スポーツを支える立場として役割を果たしていきたいと考えています。
教員志望からクラブマネジャーへ
――もともとは教員を目指されていたそうですね。
そうなんです。大学では教員免許を取得していて、高校教員になるつもりでした。学生時代に、将来教員になるための実践として地域の子どもたちに陸上を教える教室を立ち上げたのが、ドラゴンズとの最初の関わりです。
その後、競技を続ける中でクラブ運営にも関わるようになり、次第にマネジメントの面白さと難しさに引き込まれていきました。当時は規模も小さく、「この事業をどうやって続けるのか」を常に考えていました。
――経営に本格的に向き合うようになったきっかけは何だったのでしょうか。
資格取得や現場での経験を重ねる中で、この事業を持続させるには誰かが経営の責任を持つ必要があると強く感じました。コロナ禍で資金面の厳しさも経験し、「自分が意思決定できる立場に立たないと前に進めない」とも感じました。
NPO法人の代表という選択肢もありましたが、年齢や周囲の状況を考え、まずは株式会社を立ち上げる道を選びました。自分で責任を持って判断し、投資し、動かすための選択でした。
任せることで育つ組織
――現在の組織体制について教えてください。
現在在籍している社員は8名ほどです。全員がフルタイムというわけではなく、完全リモートで働くスタッフもいます。育児と両立しながら働いている人もいて、かなり柔軟な体制です。指導者や学生アルバイトを含めると、関わっている人数は30名ほどになります。
――組織運営で意識していることは何でしょうか。
できるだけ現場に口を出しすぎないことです。月次予算の管理はしていますが、その範囲内での判断や決裁は任せています。教室ごとに小さなクラブがあるような感覚で、数字にも触れてもらいながら主体的に動いてもらうようにしています。
コミュニケーションはほぼグループチャットです。会議を頻繁に開くよりも、日常的なやり取りを重視しています。
次の5年に向けた挑戦と描く未来
――今後、特に力を入れていきたい取り組みは何でしょうか。
一つは、部活動の地域展開です。国のガイドラインに沿った形で、無理のない運営モデルを地域に根づかせていきたいと考えています。すでに一部競技では取り組みを進めていますが、今後さらに広げていく必要があると思っています。
もう一つは、指定管理事業のあり方です。将来的には単独で指定管理を担い、指導者を安定的に雇用しながら地域の子どもたちを育てていく体制をつくりたいと考えています。
――ご自身の目標もお聞かせください。
個人的には、茨城県全体の総合型地域スポーツクラブに関わる立場としてアドバイザー的な役割にも挑戦したいと考えています。クラブ単体だけでなく、地域スポーツ全体をどう持続させていくか――その視点で関われたらと思っています。