食とエンタメで世界に“受け入れる力”を――劇場型お好み焼きが描く平和への挑戦

株式会社G5 代表取締役 深来勝氏

広島発のお好み焼きと即興劇を融合させた独自のビジネスモデルで注目を集める株式会社G5。飲食とエンターテインメントを掛け合わせることで、単なる食事の場にとどまらない新たな価値を創出しています。その根底にあるのは「受け入れる」という思想と、平和への強い想いです。本記事では、代表取締役・深来勝氏に、事業の特徴や経営観、そして今後の展望について伺いました。

食と即興劇が融合する独自モデル

――現在の事業内容と強みについて教えてください。

広島出身であることから、地元に貢献できることを考えたのが出発点でした。そこで広島のお好み焼きを軸にしながら、店内で芝居を行うスタイルを取り入れています。もともと役者として活動していたため、その流れで「食べながら楽しめる場」をつくることに至りました。

特徴は「劇場型お好み焼き」という業態です。広島のお好み焼きに加え、現地から取り寄せた一品料理を提供しながら、即興劇を中心としたエンターテインメントを展開しています。単なる飲食店ではなく、空間全体で体験を提供することが強みです。

――理念やビジョンについて教えてください。

「受け入れる」という考え方を大切にしています。お好み焼きは薄い生地でさまざまな食材を包み込み、調和させる料理です。この特徴を、人と人との関係にも重ねています。

また、即興劇にも「イエスアンド」という考え方があり、相手の意見を否定せず受け入れることを重視します。この価値観を広げることで、世界中の人がより良い関係を築けるのではないかと考えています。

さらに、「愛があふれる社会づくりに貢献すること」や「子どもたちが可能性に挑戦できる環境づくりに貢献すること」も掲げています。食とエンタメを通じて、笑顔があふれる社会を実現したいと考えています。

役者から経営者へ――挑戦の原点

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

もともとは役者として活動していましたが、それだけで生計を立てることは難しく、安定した収益が必要だと感じていました。そんな中、広島出身の友人からのサポートもあり、お好み焼き店の出店に至りました。

最初は不安も大きかったですが、「成功するまで続ける」という思いで取り組んできました。経営についても試行錯誤しながら学び、少しずつ運営方法を身につけていった形です。

――経営判断の軸となる考え方は何でしょうか。

いわゆる「三方よし」の考え方を大切にしています。お客様だけが満足するのではなく、スタッフや会社も含めて全体が良い状態になるバランスを意識しています。

例えば、価格設定やサービス内容においても、一方だけが得をする形ではなく、関わる全ての人が納得できる形を目指しています。このバランス感覚が経営の軸になっています。

個性を活かす組織づくり

――社内コミュニケーションで大切にしていることは何ですか。

「イエスアンド」の考え方を組織運営にも取り入れています。心理的安全性を確保し、誰もが自由に意見を言える環境づくりを重視しています。

トップダウンではなく、現場から出てくるアイデアを尊重し、それらを組み合わせてより良い形にしていく。そうしたプロセスが、組織全体の力を高めると考えています。

――人材育成や採用で重視している点を教えてください。

一人ひとりの個性を理解することが重要だと考えています。そのため、スタッフとは一対一で話す時間を設け、それぞれの強みや希望を把握するようにしています。

接客が得意な人もいれば、裏方の業務に強みを持つ人もいます。そうした特性を活かす配置を行うことで、個々のパフォーマンスを最大化できると考えています。

また、「すべての人を尊重する姿勢」を持っている人と一緒に働きたいと考えています。相手を受け入れることができる人材は、組織に良い影響を与える存在になると感じています。

海外展開と社会貢献への挑戦

――今後の展望について教えてください。

今後は海外展開を視野に入れています。ステージ付き店舗を展開し、現地の役者とコラボレーションしながら即興劇を行う構想があります。文化の違いをディスカッションする場をつくることで、新たな価値を生み出したいと考えています。

また、自社オリジナルのソースを活用した物販にも取り組んでいます。この商品が売れることで、児童施設などへの支援につながる仕組みを構築しています。商品購入が社会貢献につながる循環型のビジネスを目指しています。

――現在の課題について教えてください。

課題は人材の確保と育成です。店舗展開を進める上で、人材が不足すると成長が止まってしまいます。そのため、継続的に人を育てながら、組織としての基盤を強化していく必要があります。

マニュアルだけでは伝えきれない「お客様への寄り添い方」をどう共有していくかも重要なテーマです。この点については、日々試行錯誤を続けています。

支え合う経営と自分らしい働き方

――経営において譲れない価値観を教えてください。

お客様、スタッフ、会社のすべてが共に成長し、喜べる状態をつくることです。一方だけが利益を得るのではなく、関わる全員が満足できる関係を築くことを大切にしています。

また、働く場としても、スタッフやお客様にとって居心地の良い「居場所」をつくることを意識しています。

――リフレッシュ方法について教えてください。

家族と過ごす時間と釣りです。特別なことをするわけではなく、日常の会話を楽しむ時間が大きなリフレッシュになります。

また、海に出て釣りをすることで気持ちをリセットしています。魚が釣れなくても、自然の中に身を置くだけで十分に充電できます。

経営者として働き続けるためには、意識的に休むことも重要です。自分が休むことで、スタッフも安心して休める環境が生まれると考えています。

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