おいしいと健康は両立できる──“食を諦めない”ために挑む冷凍宅食ブランドの可能性

株式会社望礼 代表取締役   首藤 望 氏

冷凍宅食ブランド「ごちそうShape」の立ち上げに取り組む株式会社望礼。料理研究家「だれウマ」との共同創業により、“おいしさと健康の両立”という難題に挑んでいます。本記事では、創業の背景や事業の特徴、今後の展望、そして首藤氏の価値観について伺いました。

おいしい健康も当たり前に──ブランドが掲げる現在地

――現在の事業内容について教えてください。

現在は冷凍宅食の企画・販売事業を立ち上げている段階で、今年1月に創業したばかりのスタートアップです。料理研究家の「だれウマ」と共同で進めており、「ごちそうShape」というブランドで展開しています。高タンパク・低脂質・低糖質・塩分にも配慮しながら、しっかりと満足感のある味を実現しているのが特徴です。

健康的な食事をしようとすると、味や手間などどこかを妥協しないといけないことに強く違和感があって、そういった制約を無くしたいという思いで設計しています。

――サービスの特徴や大切にしている考え方について教えてください。

一般的なインフルエンサー監修とは違い、「だれウマ」自身が経営に関わっている点は大きな特徴です。お客様の声を直接受け取り、それを商品に反映していく体制を取っているので、単発の商品ではなく継続的に改善していけるブランドにしたいと考えています。

軸としているのは「おいしさと健康の両立」と「手軽さ」です。これまでどちらかを諦めるものとされてきた領域を、当たり前に両立させていくことが自分たちの役割だと思っています。

食をにした違和感から──創業に至る原点

――創業に至った背景やきっかけについて教えてください。

僕は会社員時代、夜遅くまで働くことが多く、いつしか食事も「効率」で選ぶようになっていました。

大好きだった“食べること”が、ただの栄養補給の作業になっていたんです。極端に言えば、「餌」に近い感覚でした。学生の時のように、昼食の時間もテンションはあがらない。それが、どこか寂しかったんです。
仕事に全力で向き合いながらも、ちゃんと楽しめる食事がほしい。

そしてそれが、ボディメイクやパフォーマンス向上にもつながる“自己投資”になるなら、最高だと思いました。

一方で、「だれウマ」も同じような課題を感じていました。料理研究家としてレシピを発信していても、多忙な中では自分自身の食生活が崩れてしまう。さらに、視聴者からも「作る時間がない」という声が多く届いていて、レシピだけでは解決できない現実がありました。そこで、作らなくてもいい形で届ける必要があると考え、この事業に至っています。

――独立や起業に踏み出す際の思いや葛藤について教えてください。

独立について迷いがなかったわけではありませんが、迷っている時点でやらなければ後悔するという感覚がありました。20代のうちに一度は本気で勝負してみたいという思いが、最後は背中を押しました。

もちろん、自分の挑戦が周囲にも大きな影響を与えることは分かっていました。実際に反対の声もありましたし、その一方で応援してくれる人たちもいました。

それでも、自分の意思でこの道を選びたいと思えたことは大きかったです。今振り返ると、応援も反対も含めて、すべてが前に進むモチベーションになっていた気がします。

分業と信頼で進める組織──役割と関係性

――組織の運営体制について教えてください。

現在は、私が事業推進や戦略設計を担い、「だれウマ」が集客や商品開発を担う形で進めています。

だれウマは“美味しさ”へのこだわりが本当に強くて、妥協しません。一方で、僕は事業として継続できる形に落とし込むために、数字面や物流体制、パートナー企業との調整など、より現実的な部分を担っています。

前職では経営コンサルタントとして、事業計画策定や経営改善支援などに携わっていました。その経験もあり、商品そのものだけでなく、「どうすれば長く支持される仕組みにできるか」という視点は常に意識しています。
SNS発のブランドというと、一時的な話題性で終わってしまうケースも少なくないと思っています。だからこそ、私たちは単発の商品販売ではなく、お客様の声を受けながら継続的に改善していけるブランドを目指しています。

役割分担が明確だからこそ、お互いの強みを活かしながらスピード感を持って意思決定できている実感があります。

――大切にしている価値観や社名に込めた想いについて教えてください。

社名である「望礼(ミライ)」にも価値観を込めています。「礼をもって未来を望む」という意味で名付けました。創業前、工場や協力業者に連絡をしても、実績がないことで軽く扱われることもありました。

それでも、だからといってこちらが礼を欠く理由にはならないと思い、どんな状況でも誠実に向き合うことを大切にしてきました。そうした中で、手を差し伸べてくれる方々にも出会うことができましたし、その人たちと一緒に未来をつくっていきたいという思いがあります。まだ小さい組織だからこそ、一つひとつの関係性がそのまま文化になっていくと感じていて、日々の姿勢を何より大事にしています。

販路拡大と商品進化──広がる可能性

――今後の展望について教えてください。

まずはD2Cでの販売を基盤にしながら、オフィスやジムなど生活動線の中で接点を広げていきたいと考えています。自宅に届くだけでなく、日常の中で自然に手に取れる環境をつくることで、より多くの方に届けられるはずです。

商品としても、お弁当だけにとどまらず、スープやスイーツ、軽食など、より手軽に取り入れられる形への展開を検討しています。忙しい中でも無理なく続けられることを前提に、選択肢の幅を広げていきたいという考えです。

――現在の課題や市場の可能性についてはどのように捉えていますか。

課題としては、商品ラインナップや価格、オペレーション面も含め、まだまだ改善すべき点は多いと感じています。実際にテスト販売やクラウドファンディングを通じて、多くのご意見をいただきました。

クラウドファンディングを通じて一定の需要検証ができたことは大きかったです。1,700名を超える方にご支援いただき、ごちそうShapeへのニーズは想像以上に強いと感じています。

市場自体は非常に前向きに見ています。冷凍食品市場は堅調に推移しており、その中でも冷凍弁当や高タンパク食品の需要は伸びています。健康志向と時短ニーズが重なっている領域だからこそ、しっかり価値を出せれば大きな可能性があると感じています。

最終的には一つひとつ泥臭く改善を積み重ねられるかが重要だと思っています。実際にお客様の声を受けながら、商品や体験を少しずつ磨き続けていきたいです。

新しい環境が広げる視野──挑戦の価値

――リフレッシュ方法について教えてください。

もともと筋トレが好きで、大学時代から欠かさず続けています。

共同創業者のだれウマの半分ぐらいの腕の太さですが、中身は詰まっているはずです(笑)。

最近は立ち上げに集中していることもあって、なかなか休みは取れていませんが、それでも筋トレをすると気持ちが切り替わる感覚があります。忙しい中でも、少しでも体を動かす時間は大事にしています。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

実際に挑戦してみて感じているのは、時間の流れ方や見える景色が大きく変わるということです。同じ環境にいるとそれが当たり前になりますが、一歩外に出ると全く違う世界が見えてきます。

これまで正しいと思っていたことが通用しない場面もあり、積み上げてきたものに疑問を抱く瞬間もありました。それでも、「自分の意思で選んだ道だ」と思えることには、大きな意味があると感じています。

人生は、結果だけではなく、その過程も含めて“自分だけの物語”になっていくものだと思っています。だからこそ、もし何か迷っていることがあるなら、完璧な準備が整うのを待つよりも、自分なりに納得できる一歩を踏み出してみることにも価値があるのではないでしょうか。

まだ何かを成し遂げた立場ではありませんが、これからも誠実に人や仕事と向き合いながら、自分自身の可能性を広げていきます。

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