インフルエンサーマーケの進化を導く 新市場創出への挑戦
株式会社Vooster 代表取締役 三宮 翔太氏
株式会社Vooster(以下、Vooster)は、AIによる運用型インフルエンサー広告という新しい概念のサービスを展開する会社です。2026年2月12日にサービスをローンチし、中小企業を中心に利用が広がっています。親会社である株式会社トリドリ(以下、toridori)で培ってきたPR実績100万件超えの知見をもとに、AIを活用したインフルエンサー選定や工数削減につながる仕組みを整え、より身近にインフルエンサーマーケティングを活用できる環境づくりを進めています。本記事では、代表の三宮翔太氏に、事業の特徴や就任の背景、組織運営で大切にしていること、今後の展望について伺いました。
AIで拓く広告の新常識
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
株式会社Voosterでは、会社名と同じ名称の「Vooster」というサービスを企画・開発・運営しています。こちらは、「AIによる運用型インフルエンサー広告」という、これまでにあまりなかった概念のサービスです。クライアントにお届けしているのは、従来のインフルエンサーマーケティングで課題であった手間や不明瞭感を解消したサービスです。
――どのような業種のお客様からの利用が多いのでしょうか?
メインの利用顧客は中小企業のお客様です。特に店舗事業者が多く、その中でもグルメ領域の飲食事業者、次いでホテルや旅館などのトラベル事業の利用が多いです。一方で、イーコマース事業者の利用も非常に多い状況です。一部、大企業規模のクライアントからもご利用をいただいております。
またこれまでは商品や自社が保有しているブランドのPRが大半でありましたが、企業の採用に関する情報発信をしたいというご依頼も非常に増えています。
――競合との違いや強みはどこにありますか。
従来のインフルエンサーマーケティングには、インフルエンサー選びが難しくて面倒であること、投稿完了までに担当者の工数がかかること、さらに認知や興味関心をつくるというインフルエンサーの強みに連動した費用設計が不明瞭など、いくつかの課題があると感じてきました。
そこで「Vooster」では、インフルエンサーの選定をAIで行い、過去の実績などから予測されたエンゲージメント(※)によって選ばれたインフルエンサーが自分でサービスを体験したり購入したりする形にすることで、クライアント側の手間を減らしています。さらに、独自の予測エンゲージメントをもとに費用感を算出することで、納得感のある金額で利用できるようにしています。新しい概念だからこそ、まだ真新しいポジショニングにあると感じています。
(※)エンゲージメント:投稿に対して、いいねやコメントなどでどれだけ人々が反応しているかを表す指標。
新会社を託された背景
――三宮様が代表に選ばれた理由は何だったのでしょうか。
toridoriで初めてプロダクトをつくった際に、長く事業責任者を務めていたことが背景にあります。新しいサービスである「Vooster」にしっかり投資し、事業として伸ばしていく中で、その経験が期待されたのではないかと捉えています。新しい事業を立ち上げる際に、二度目のコミットになるという意味合いもあったと思います。
――現在の組織体制について教えてください。
Voosterの組織は、現在35名ほどです。営業は業務委託も含めて10人ほどの体制です。バックオフィスはtoridoriと兼用している部分もあります。
――組織運営で大切にしていることは何ですか。
「努力を見逃さないこと」だと思っています。ただし、無駄な努力ではなく、ちゃんとした努力がきちんと報われるように設計することが大切です。努力そのものを見逃さず、正しく評価される状態をつくることは、組織にとって重要だと考えています。
――社内の雰囲気やコミュニケーション面の特徴はありますか。
toridoriを含め、経営陣に対してもフラットに話せるカルチャーがあると受け止めています。そうした空気感を引き継いで、Voosterの社風もつくられているのだと思います。
データで導く未来の経営
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
親会社であるtoridoriは、創業から10年にわたってインフルエンサーを軸に成長を続けてきました。インフルエンサーマーケティングを企業が使える状態にはかなり近づいてきた一方で、まだ一般大衆化しきれていないとも感じています。今回の「Vooster」は、AIの活用によりとても簡単にインフルエンサーマーケティングを続けられるサービスになっていますので、この新しい概念を磨き込みながら、市場そのものを広げていくことが挑戦になります。
――今、直面している課題は何でしょうか。
AIでインフルエンサーを選ぶという考え方自体がまだ見慣れないため、クライアントが少し及び腰になることがあります。無理もないことですが、だからこそ、その仕組みや価値をしっかり伝えていくことが営業面での課題です。また、今の取り組みを社外にきちんと発信し、利用顧客数を増やしていくことが必要だと考えています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
データは嘘をつかないので、データを信じましょうということです。何でも意思決定のときの根拠になるデータをためておくことが大事だと考えています。意思決定の連続の中で、迷わず正しい選択をし続けるためには、データが大きな助けになるはずです。