エキゾチックレザーの価値を受け継ぎ、命の証を形にするものづくりの原点
合同会社リボーン 代表 高島成央氏
合同会社リボーンは、エキゾチックレザーを専門に、革製品の製造・販売を手がける企業です。製品販売を中心としながら、革そのものの販売にも対応し、希少性の高い素材を数多く扱っています。中でも、特許を取得したオリジナル財布や、国内でもほとんど流通していない珍しい革の取り扱いは大きな特徴です。今回の取材では、高島成央氏に事業の内容や強み、事業を続ける理由、今後の展望、そしてお客様への思いについて伺いました。
目次
希少なエキゾチックレザーと特許財布が生む独自性
――現在の事業内容について教えてください。
当社はエキゾチックレザー専門で、製品の製造・販売を行っています。もともとは革屋として革そのものの販売も行っており、現在も製品以外に革の販売にも対応しています。ただ、実際には製品を購入されるお客様のほうが多いです。
扱っている素材は非常に幅広く、一般的な革製品店ではなかなか見かけないようなものも多数あります。ヘビ革も複数種類あり、それぞれに独特の表情があります。たとえば、猫の目のような鱗模様を持つものや、六角形の鱗模様が特徴的なものなど、他ではほとんど見られない革も取り扱っています。そのほかにも、トカゲ、サメ、オーストリッチ、エイ、カエル、アザラシ、亀など、本当に多種多様な革を揃えています。中には現在ではほとんど入ってこなくなった素材もあり、種類の多さは大きな強みだと感じています。
――他社にはない強みはどこにあるのでしょうか。
今、一番の強みとして打ち出しているのは、特許を取得したオリジナル財布です。この財布は、組み替えができる構造になっていて、いろいろな使い方ができます。お金だけでなくスマートフォンも入れられ、閉じた状態のままでも反対側のファスナーから取り出せる仕様です。さらに、最後までファスナーを下ろすと切り離すことができ、切り離した側にはクレジットカードを6枚とお札も入れられます。スーツの胸ポケットにも入れやすく、使い勝手のよさがあります。
また、切り離したパーツは別の財布と組み換えることもできます。たとえば片側をトカゲ革、もう片側をオーストリッチ革にするなど、素材の組み合わせを楽しめます。カップルやご夫婦で片側ずつ交換すれば、2人だけのペア財布として持つこともできます。さらにDカンが付いていて、ベルトを付ければバッグのように持つこともできます。
使用しているファスナーにもこだわっています。切り離して持っても問題がないように、ファスナー務歯(金属)部分を一つ一つ磨いていて滑らかな手触りのYKK最高級ともいわれているエクセラファスナーを使用しています。加えて珍しい革と機能性、そしてオリジナリティを兼ね備えている点が、当社ならではの特徴だと思います。
父から受け継いだ仕事と、残したいもの
――この仕事を継がれたきっかけを教えてください。
きっかけとしては、父がアリゲーターの皮鞣し工場をやることになり、そこで働かないかと声をかけられたことでした。それで父の会社に入って働き始めました。結果としてその工場は長く続かず閉鎖することになったのですが、働き始める最初のきっかけはそこにあります。
もっとさかのぼると、子どもの頃からこの仕事に触れていました。小学生のとき、夏休みに兄弟3人で車に乗せられて会社に連れて行かれ、塩漬けの革の枚数を数えさせられたことがあります。何千枚もあって、3人がかりでも1日では終わらず、2、3日通った記憶があります。そういう経験が、今につながっているのかもしれません。
――事業に込めている思いや理念をお聞かせください。
自分でも、なぜこれをやっているのだろうと考えることがありますが、結局は父が始めた仕事だからだと思っています。父がいたという存在意義のようなものを残したい。その思いは大きいです。
それに、父がいろいろな国を回って探し、日本ではまだ知られていなかった革を仕入れてきてくれていました。当時の在庫もまだ残っていましたし、それらを無駄にしたくないという気持ちもあります。インターネットがない時代に、世界を飛び回りながら集めてきたものですから、そこには父の時間も思いも詰まっています。
そして何より、革は生き物が生きていた証です。だからこそ、その命を無駄にしたくない。貴重な生き物たちの証を、きちんと形として残していきたい。その思いが、事業を続ける大きな理由になっています。
経営の軸にある「生きていた証を残す」という思い
――経営判断の軸になっている価値観や信条はありますか。
根本にあるのは、やはり命の亡きがらを無駄にしたくないという思いです。そしてもう一つ、自分自身が生きていた証を残したいという気持ちもあります。
若い頃、私は芝居をやっていて、役者として生きていこうと思っていた時期がありました。なぜ自分が芝居をやりたいのかを考えたとき、自分がこの世にいたという証を残したいと思っていたのだと気づいたんです。その手段として芝居を選んでいました。
父は仕事をしながら、役者の仕事が入ればそちらを優先してもいいと言ってくれていました。とてもわがままを聞いてもらっていたと思います。ですが、2007年9月25日、中秋の名月の日に父が亡くなりました。その少し前まで舞台に出ていて、舞台が終わって数日後のことでした。自分の中では、父が舞台が終わるまで待っていてくれたのではないかという思いがありました。その日に芝居をやめて、父の仕事を継ぎ、これ一本でやっていこうと決めました。
寝ること、走ること、家族と過ごす時間
――お仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
趣味らしい趣味はあまりないのですが、寝るのが好きですね。それから、近所の駒沢公園に、暖かい時期だけたまに走りに行きます。あとは墓参りです。祖母と両親が眠るお墓に行く時間も、自分にとっては大事な時間になっています。
子どもが3人いるのですが、長男とは月に1回か2回くらい、一緒に晩ごはんを食べたり飲みに行ったりしています。顔を合わせて話す時間は、気持ちの切り替えにもなりますし、リフレッシュになっているのだと思います。
お客様の想像を超えるものを届けたい
――読者やお客様に伝えたい思いをお聞かせください。
セミオーダーやフルオーダーに限って言えば、お客様が注文されるときには、必ず出来上がりのイメージを持っていらっしゃいます。そのイメージを超えるものを作ってお渡ししたい。それはいつも考えていることです。
また、お客様にご来店いただいて商品をご購入いただいたとき、こちらが「ありがとうございました」とお伝えすると、逆にお客様のほうからすごくお礼を言っていただけることがあります。そのときは本当に、やっていて良かったと思います。
良い製品に出会えたと感じていただけること、そして喜んでいただけることが何よりもありがたいです。そうやって感謝していただける存在でありたい。その思いを大切にしながら、これからも一つひとつの製品と向き合っていきたいと考えています。