眠りと予防で健幸を支える社会へ――soelヘルスケア戦略
soel合同会社 代表 小田 希氏
soel合同会社は、睡眠と予防を軸に、個人向け健康支援から将来的な企業向け福利厚生・健康経営支援までを見据えたヘルスケア事業を展開しています。代表の小田希氏は、理学療法士として約18年間、病院・医療現場で多くの方と向き合ってきました。
その経験の中で、「不調が起きてから対応するだけでは遅い。もっと手前の段階から支えたい」という想いを強く持つようになり、予防・未病ケアをテーマに独立。現在は、睡眠を切り口に、個人の回復力向上と、今後の企業支援を視野に入れた活動を行っています。
眠りから健幸を支える挑戦
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
私は理学療法士として約18年間、医療現場で勤務してきました。その中で感じていたのは、病気やけがが起きてから対応するだけでは、本当の意味で健康を守るには限界があるということです。
もっと早い段階から関わり、一人でも多くの方が健やかに働き、暮らせる社会をつくりたい。そうした想いから、2022年4月1日にsoel合同会社を設立しました。
現在は、施術や予防医学講座、睡眠セミナーを入口としながら、睡眠改善を軸にした総合的なサポートを行っています。具体的には、睡眠に特化したヘッドスパ、コンディショニング、フランス式アロマの活用、厳選アイテムの提案などです。
単発の施術で終わるのではなく、疲れにくい身体づくり、眠りやすい身体づくりなど、日常から整えていく提案を重視しています。
――貴社の理念について教えてください。
理念は、「健やかに、生きる力を自分で育む社会へ。」です。
soelでは、眠り・カラダ・住まい・働き方という視点から、整える習慣を提案しています。一人ひとりが、自分自身の健幸を主体的に選び取れる社会づくりを目指しています。
医療現場では、もっと早く関われていれば防げた不調や、避けられた離職、支えられた生活があったと感じる場面を数多く見てきました。
だからこそ私は、健康で笑顔の人を増やすことが、結果として企業・地域・社会全体の活力につながると考えています。
現場での葛藤が導いた独立
――経営者になられた経緯を教えてください。
独立したいという想いは、勤務3年目頃から持っていました。
病院でできることの限界や、もっと身体に対してトータルで関わりたいという想いがあったからです。理想の形をどう実現するかを考え続け、必要な資格を取得し、経験を積み、独立を決意するまで約18年かかりました。
開業当初は、整体・ヘッドスパ・よもぎ蒸しなどからスタートしました。薬・注射・手術だけに頼らない方法で、私自身が寄り添える角度から、一人でも多くの方の心身の健康を支えたいと考えていたからです。
また、私自身も勤務時代に強いストレスから、不眠や動悸、息切れを経験しました。そのとき、心と身体、そして睡眠が密接につながっていることを身をもって実感しました。
この経験が、睡眠を単なる休息ではなく、人生や仕事の土台として捉える原点になっています。
女性が活躍できる循環型モデルへ
― 組織運営で意識していることを教えてください。
現在は少人数体制ですが、技術を学んでくれたセラピストと連携しながら活動しています。
今後は、私自身が経営者や企業への提案・啓発活動に注力し、現場での施術やケアについては、技術を習得したママセラピストたちが担う体制を広げていきたいと考えています。
家事・育児・仕事を両立しながら働く女性たちが、技術を活かして無理なく収入を得られる環境を整えることも、大切な使命の一つです。
企業側には健康意識向上の価値を、女性側には活躍の場を生み出す。そうした双方に価値が循環する持続可能なモデルを目指しています。
経営者の健康から社会を変える
― 今後の展望について教えてください。
今後は、経営者や企業に対して「真の健康経営」の重要性を伝えていきたいと考えています。
経営者自身の健康状態は、判断力・集中力・組織の空気感に大きく影響します。つまり、経営者のコンディションは、そのまま会社の業績や組織力にもつながります。だからこそ、睡眠や回復力を経営課題として捉える視点が必要です。
その取り組みの一環として、5月22日に福岡で100名規模のイベント 「睡眠×経営フォーラム」 を開催します。
まずはこのイベントを通じて福岡の経営者の方々に睡眠と健康経営の重要性を知っていただき、今後、福利厚生としての施術導入、アロマ空間デザイン、睡眠研修など、企業との連携へつなげていきたいと考えています。
また、介護施設・訪問看護・ホテル業界などにも、睡眠支援サービスを展開し、多方面から社会課題解決に貢献していきたいです。
心と身体を整える日々の習慣
― 仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
施術中は、お客様のための時間でありながら、自分自身も香りに包まれ、とても整う時間になっています。
また、神社や海、山など自然のある場所に足を運ぶ時間を意識して確保しています。開業当初は走り続けていたので、今は余白の時間を持つことを大切にしています。
自分自身も、よもぎ蒸しやヘッドスパなどを取り入れ、「整えること」を日常の中で実践しています。
読者の方へのメッセージ
不調が大きくなってから対処するのではなく、日常の中で無理なく整えることが大切です。
仕事も家族も、自分の人生も、長く良い状態で続けていくためには、がんばる前に整えること が必要です。
経営も人生も、継続には回復力が欠かせません。その積み重ねが、楽に高いパフォーマンスを発揮できる未来につながっていくと信じています。