逆起点で築く、高品質と高安全の物流経営――ワントラック株式会社が描く持続的成長のかたち

ワントラック株式会社 代表取締役 目羅 弘司氏

ワントラック株式会社は、貨物軽運送事業を手がける運送会社です。目羅弘司氏は、大手運送会社で約20年の経験を積んだ後、独立して同社を設立しました。小規模ならではのスピード感と挑戦力を強みに、高品質・高安全を重視した独自の物流体制を築いています。単に配送個数や売上を追うのではなく、「お客様が笑顔になれるか」「ドライバーさんが笑顔になれるか」を判断軸とする経営姿勢も特徴です。本記事では、創業の背景から組織づくり、今後の展望まで伺いました。

小さな会社だからこそ、迅速果断できる強みがある

――事業を始められたきっかけを教えてください。

もともと大手運送会社で20年ほど働いていましたが、退職を機に新しい人生を考えた時、経営者になる道を選びました。子どもの頃から「社長になる」という夢があり、その思いが形になったのがワントラック株式会社の立ち上げです。これまで物流業界で培った経験を生かし、自分なりの考えで会社をつくりたいという思いもありました。

――御社の強みはどのような点にありますか。

小さな会社だからこそ、意思決定が速く、やると決めたことをすぐ実行できることです。失敗してもすぐ修正できる。そこが最大の強みだと考えています。10回挑戦して10回失敗してもいいというくらい、挑戦を止めない姿勢を大切にしています。できない理由を考えるのではなく、まずやってみる。この考えは創業時から変わりません。

――理念や経営判断の軸について教えてください。

運送業では個数や売上を重視しがちですが、当社はそこを最優先にはしていません。最も重視しているのは、お客様に時間通りに、適切な方法で確実に、笑顔も一緒に商品をお届けすることです。個数や売上を追えば事故やクレームにつながることもある。その経験があるからこそ、逆の発想で品質と安全を軸にしています。

経営判断も、「それでお客様が笑顔になるか」「ドライバーさんが笑顔になれるか」で判断しています。そこが明確な基準です。

仕組みでつくるコミュニケーションと、多様性を生かす組織づくり

――社内コミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。

コミュニケーションは意識だけでは続かないため、仕組みにしています。誕生日や季節の行事など、日本のイベントごとはできるだけ取り入れ、ドライバーも含めて一緒に参加する機会をつくっています。誕生日のお祝いもしていますし、イベントを通じて自然に交流が生まれるようにしています。コミュニケーションを個人任せにせず、会社として機会を設計することを重視しています。

――組織運営で意識していることはありますか。

家族的な関係性は大事にしていますが、甘やかす意味ではありません。本当の家族のように、必要な時には厳しさも持つ。その感覚を大切にしています。

また今は、優秀なスタッフに現場を任せ、私は意図的に現場から距離を置いています。問題も出ていますが、それを乗り越えてもらうことが成長につながると考えています。

手を出したくなる場面もありますが、そこを我慢して任せることも経営の重要な役割だと感じています。

――どんな人と一緒に働きたいと考えていますか。

経営パートナーであれば、自分にないものを持っている人に魅力を感じます。たとえばシステム開発に強い人などです。常に創造することが私の強みですが、それをすばやく具現化する才知に魅力を感じます。

一方で現場では、多様性を重視しています。自分と価値観が合う人ばかりではなく、苦手に感じるタイプの人がいてもいい。

異なる視点があるから組織は強くなると思っています。多様な個性があることが、結果的に会社を豊かにすると考えています。

高品質と高安全を軸に、全国へ展開する未来を描く

――今後取り組みたい挑戦について教えてください。

まず100台規模で高品質と高安全のモデルをしっかり確立したいと考えています。その上で、そのモデルを拠点展開していきたいです。

フランチャイズのように任せるのではなく、どこに展開しても同じ品質が出せる仕組みをつくった上で広げていく考えです。急拡大して売上を何倍にもするという発想ではなく、品質を守りながら着実に広げることを重視しています。

――現在向き合っている課題は何でしょうか。

会社の成長スピードに、人と組織の成長が追いつくことです。会社だけが先に成長してしまうと持続しません。だからこそ、新しい知識やスキルを学び続けることが必要だと考えています。

私自身も学びますし、今いるメンバーにも成長してもらう必要がある。その成長が会社の未来に直結すると考えています。

――品質と安全を重視する考えは、事業成長にもつながっているのでしょうか。

そう考えています。安全と品質に特化していれば、その評価は回り回って新しい仕事につながると信じています。

実際、新しい案件や拡大の話も来ています。目先の売上ではなく、品質に投資することが、結果的に未来の仕事をつくるという考えです。遠回りに見えて、実はそれが最も確かな成長だと思っています。

逆起点で考える経営哲学と、仲間と楽しむ時間

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

趣味は海釣りです。社内には釣り部とゴルフ部があり、会社の仲間と船釣りにも行っています。釣った魚を行きつけのお店でさばいてもらい、みんなで食べる時間も楽しみの一つです。

仕事以外でも仲間と時間を共有することが、良い関係づくりにもつながっていると感じます。仕事も遊びもオンオフしっかり分けて徹底的にやります。

――最後に、大切にしている考え方を教えてください。

常に「逆起点」で考えることです。ワーキングバックワーズという考え方が好きで、物事は自分視点(自社)ではなく、相手側(お客様)から考えるべきだと思っています。

運送であれば、お客様視点から考える。それによって判断のブレやリスクも減ると感じています。迷った時は逆起点、悩んだ時も逆起点。この考え方は、経営判断の根幹になっています。

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