日本社会の物流を守る「外国人ドライバー」という新常識を。一気通貫の支援で運送業界の未来を切り拓く
株式会社外国人ドライバー支援機構 代表取締役 小林 良介氏
少子高齢化に伴う労働力不足が深刻な影を落とす運送業界。2024年問題をはじめとする課題に対し、一石を投じるのが株式会社外国人ドライバー支援機構です。母体である福岡の自動車学校での経験から、いち早く「外国人ドライバー」の必要性を確信した小林良介氏は、海外での教育から日本国内での免許取得、就労後のサポートまでを網羅する独自のビジネスモデルを構築しました。「人と事業を変身させ、社会を感性で満たす」というグループ理念のもと、国境を越えた挑戦を続ける小林氏に、これまでの歩みと未来への展望を伺いました。
目次
運送業界を変身させる。一気通貫の「外国人ドライバー就労支援」とは
――貴社の事業内容と、現在の取り組みについて教えてください。
私たちは、福岡にある自動車学校を母体とするミナミホールディングスのグループ会社として、外国人ドライバーに特化した人材紹介事業を行っています。
現在、運送業界ではドライバー不足が叫ばれて久しいですが、私たちはただ人材を送り込むだけではありません。海外(現在はカンボジアがメイン)での運転教育から始まり、日本への入国・紹介、そして日本国内での運転免許取得に向けた再教育、さらには実際の運送現場への配属までをすべてグループ内で完結させています。
この「一気通貫」の仕組みこそが私たちの強みです。自社グループ内にも運送会社を持っており、実際に外国人の子たちがドライバーとして働いています。「現場ではもっとこういう教育が必要だ」といったフィードバックが即座に教育現場へ戻ってくるため、常に実務に即した質の高い教育を提供できるのです。このサイクルを自社で回しているのは、日本国内でも私たちだけだと自負しています。
――グループ全体で掲げられている理念には、どのような思いが込められているのでしょうか。
グループ全体の理念は「人と事業を変身させて、この社会を感性で満たそう」というものです。自動車学校という旧態依然とした業界を自分たちの手で変革してきた自負があります。そして今、外国人ドライバーというこれまでにない選択肢を提案することで、運送業界そのものを「変身」させたいと考えています。
また、外国人ドライバー支援機構としてのビジョンは「日本で働くことを選んでくれた人たちの生活に誰よりも寄り添い続ける」ことです。働く外国人、受け入れる企業、そして我々、さらに物流の恩恵を受けるエンドユーザーまで含め、全員が「ウィン・ウィン・ウィン」になれる環境づくりを追求しています。
現場のインストラクターから経営の道へ。理念を軸にした決断の連続
――小林様が経営の道を歩むことになったきっかけを教えてください。
実は、最初から経営者を目指していたわけではないんです。スタートは、自動車学校の「インストラクター」でした。当時は非常にアナログで旧態以前とした業界でしたが、現在のグループ代表が改革を始めた際、共にその道のりを歩んできました。
5〜6年かけて組織を立て直し、ある程度形が見えてきたとき、自分が教習所に居続ける必要はないと感じたんです。「少子化が進む中、20年先を見据えて次の事業を作らなければならない」と考え、様々な課題に向き合ってきた結果、気づけば現在の立場で経営に携わっていたというのが正直なところですね。
――日々、多くの経営判断をされる中で、大切にされている「軸」は何ですか。
判断の軸は、極めてシンプルです。掲げている「理念」や「ビジョン」に合っているか、合っていないか。これに尽きます。
マネジメントを通じて「主役を支える人」を育てる組織運営
――組織の運営や社員の方々との関わりで、意識されていることはありますか。
現在、私はカンボジア法人の代表と日本法人の代表を兼務しており、物理的にすべてのスタッフと常に顔を合わせることは困難です。だからこそ、私が直接全員を引っ張るというよりは、各マネージャーたちがしっかりと現場とコミュニケーションを取れるような環境づくりに注力しています。
――採用や育成において、求める人物像などはありますか。
「自分が主役になりたい」という方よりも、「誰かを支えたい、バックアップしたい」という思いを持つ方と一緒に働きたいですね。
私たちの仕事は、外国人ドライバーや運送会社様が主役であり、私たちはあくまで黒子です。理念やビジョンに共感し、自分たちのサポートによって物流が守られ、社会が良くなっていくことに喜びを感じられる。そんな利他的な精神を持ったチームでありたいと思っています。
「外国人が運転してくれて助かるね」と言われる日本社会の実現へ
――今後の展望や、挑戦していきたいことについてお聞かせください。
まずは直近の目標として、外国人ドライバーに対する日本社会の意識を変えていきたいです。
「外国人の運転は危ないのではないか」という不安を持たれる方もまだいらっしゃいます。しかし、教育を徹底し、日本人ドライバーよりも事故が少なく、安全でマナーが良いという実績を積み重ねていけば、必ず「彼らが来てくれて本当に助かった」と言われる日が来ます。そのための教育体制をさらに強化していきたいですね。
また、現在はカンボジアが中心ですが、今後はインドネシアやウズベキスタンといった国々にもパートナーを広げ、どの国から来た方でも、私たちのスキームを通じれば日本でプロのドライバーとして活躍できるような環境を世界中に作っていきたいと考えています。
――小林様にとって、経営における「これだけは譲れない思い」とは何でしょうか。
やはり「理念とビジョンの追求」ですね。繰り返しになりますが、ビジネスを単なる金儲けの手段にしないこと。
日本を選び、海を越えてやってくる若者たちの人生を預かっているという責任感。そして、彼らの力が必要不可欠な日本の物流を支えているという自負。この二つを両立させるために、私たちは挑戦し続けます。
仕事と人生が重なる喜び。リフレッシュもまた学びの場
――非常にお忙しい毎日かと思いますが、リフレッシュ方法や趣味はありますか。
私にとって「仕事が趣味」のようなところがあり、実は「休み」という明確な概念があまりないんです。
ただ、様々なお立場の方とお食事をしながらお酒を酌み交わす時間は、最高のリフレッシュであり、同時に貴重な学びの時間でもあります。
――影響を受けた人物や、尊敬されている方はいらっしゃいますか。
最も身近で、最も影響を受けているのはグループ代表の江上ですね。17〜18年前、自動車学校の改革から共に歩んできました。尊敬する経営者であり、時にはライバルであり、志を同じくする同志でもあります。
株式会社外国人ドライバー支援機構
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