“創る”ことを原点に――地域と現場の声から生まれるITサービスへの挑戦
アイティーエムクリエイト株式会社 代表取締役 伊藤 章裕氏
アイティーエムクリエイト株式会社は、東京・多摩地域を拠点にシステム開発を行う企業です。企業向けソフトウェア開発を中心に事業を展開する一方で、現在は幼稚園・保育園向けの業務連絡支援システム「コナビ」 の開発に力を入れています。“創ること”を人生のテーマに掲げる代表の伊藤氏は、現場の声を丁寧に拾いながら、地域や人々の役に立つサービスづくりを続けてきました。本記事では、現在の事業内容やサービス開発への想い、今後の展望について伺いました。
地域に根差したシステム開発と、幼稚園向け支援ツールへの挑戦
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社は、東京の多摩地域を拠点に、企業向けのソフトウェア開発を中心に行っています。現在特に力を入れているのが、幼稚園・保育園向けの業務連絡支援システム「コナビ」 の開発です。
このサービスは、保護者向けというよりも、職員同士の業務連絡に特化したツールになっています。園長先生から職員へ、情報を漏れなく正確に共有することを重視していて、日報や連絡事項を投稿し、それを誰が確認したか分かる仕組みなどを搭載しています。クラスごと、グループごとに管理できるようにしており、日々の情報共有を円滑にすることを目的としています。
開発のきっかけになったのは、地元の園長先生からの相談でした。既存ツールの使い勝手やコスト面に課題を感じていた中で、「幼稚園向けにもっと使いやすいものを作れないか」と声をかけていただいたことからスタートしました。現場の声を直接聞きながら、必要な機能を一つひとつ形にしています。
――今後は保護者向け機能の展開も考えていらっしゃいますか。
もちろん考えています。ただ、保護者向け機能になると、セキュリティや管理面で求められるレベルがさらに高くなります。そのため、まずは職員間の業務連絡ツールとしてしっかり完成度を高めていきたいと考えています。
現在は少人数体制で開発を進めていることもあり、まずは「業務連絡」という領域を深く掘り下げていきたいですね。その上で、将来的には他の小規模団体向けの連絡ツールなど、別分野への展開も視野に入れています。
“創ること”を人生のテーマに
――サービス開発や経営において、大切にされている想いを教えてください。
自分にとって、「創ること」は人生のテーマです。何かを生み出して、それによって周りの人たちに喜んでもらうこと、良い習慣や便利さを提供することをずっと大切にしてきました。
もともとは音楽制作が好きで、子どもの頃からコンピューターミュージックやDTMをやっていました。会社員時代には、音楽制作に関するホームページを作っていたこともあります。その流れの中で、ソフトウェア開発という分野に出会い、「自分の創りたいものを形にできる」と感じて、この道に進みました。
2006年には独立し、個人事業としてスタートしました。当時、子どもが小学校へ上がるタイミングで、家庭との両立を考え、自宅でもできる働き方を模索していたことも大きな理由でした。システムエンジニアとしての経験を活かしながら、自分でサービスを作る道を選んだんです。
会社名の「ITMクリエイト」にも、“創る”という想いが込められています。現在は「ITでマネジメントするものを創造する」という意味合いで使っていますが、もともとは音楽活動時代の名前がベースになっています。形は変わっても、“創造する”という軸はずっと変わっていません。
現場の声を形にするものづくり
――経営の中で、特に大切にしている考え方はありますか。
お客様が「こういうものが欲しい」と思っていることを、まず形にしてみることです。難しい要望でも、最初から断るのではなく、「こういう形ならできます」と提案してみる。それは昔から変わらず大切にしています。
「コナビ」も、まさに現場の声から生まれたサービスです。園長先生の想いや課題感を直接聞きながら開発を進めてきました。実際の利用シーンを理解しているからこそ、本当に必要とされる機能を作れるのだと思っています。
最近は、「自分が作りたいものを作る」という感覚だけではなく、「みんなが必要としているものを作ること」が大事なのだと強く感じています。自分の技術を通じて、人の役に立つものを提供していきたいですね。
また、ホームページ上では1999年から日記を書き続けています。ブログという言葉が一般的になる前から続けていて、気づけば長い年月が経っていました。創作も発信も、継続して積み重ねることが自分らしさなのかもしれません。
共感しながら、一緒に創れる人と働きたい
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
ものづくりが好きな人ですね。そして、事業やサービスに共感してくれる人。一緒に同じ方向を向いて進めることを大切にしています。
スキルももちろん必要ですが、それ以上に、素直さや明るさといった人柄を重視しています。技術面は後から身につけられる部分もありますが、ものづくりへの姿勢や考え方はとても大事だと思っています。
現在は業務委託のメンバーと一緒に開発を進めていますが、リモートだけではなく、立川の事務所で直接会う機会も設けています。また、自社サービスである「コナビ」を実際に活用しながら、日報共有や情報連携も行っています。サービスをブラッシュアップしながら、自分たち自身でも使い続けている形ですね。
地域から全国へ、“創作”を広げていく
――今後の展望について教えてください。
まずは「コナビ」を地域の幼稚園や保育園で使っていただき、それを少しずつ全国へ広げていきたいと考えています。自分たちが作ったサービスが、多くの現場で役立つ存在になってくれたら嬉しいですね。
プライベートでは、息子と多摩地域を巡りながら、地域の魅力を発信する「多摩かるた」の制作も行っています。歴史や観光地を巡る中で撮りためた写真をもとに作ったもので、地域を知るきっかけになればという想いから始まりました。
仕事でも趣味でも共通しているのは、「創ることを楽しむ」という姿勢です。人の声に耳を傾けながら、必要とされるものを形にしていく――その積み重ねが、アイティーエムクリエイト株式会社の歩みにつながっています。