キャリアと育児が両立する社会へ――副業とコミュニティで切り拓く新しい働き方

株式会社COEO 代表取締役 千木良直子氏

キャリアと育児の両立というテーマに向き合い、新たな働き方の選択肢を提供する株式会社COEO。コミュニティを基盤に、副業人材によるチーム支援やスキル開発の機会創出を通じて、多様なキャリアの実現を後押ししています。本記事では、代表取締役の千木良直子氏に、創業の背景や事業の特徴、組織運営の考え方、そして今後の展望について伺いました。

キャリアと育児の両立を実現する事業モデル

――現在の事業内容について教えてください。

当社は、コミュニティを基盤とした人材プラットフォームを中心に事業を展開しています。もともとボランティアで運営していた共働きコミュニティを発展させ、現在は人材のマッチングや副業機会の提供につなげています。

法人向けには、副業人材によるチーム型支援を行っています。いわゆる「チーム副業」という形で、複数のメンバーが企業の課題解決に取り組みます。また、育休からの復職支援として研修の提供も行っています。個人向けには、コミュニティメンバーに対してスキル講座やグループコーチングを提供しており、週に1回の継続的な学びの場を設けています。さらに、自治体と連携した親子ワーケーションの取り組みなども行っています。

――他社にはない特徴や強みはどのような点にありますか。

コミュニティを基盤にしている点が大きな特徴です。単なる人材サービスではなく、価値観を共有した人たちが集まっているため、主体的に動くメンバーが多いことが強みです。また、副業人材で構成されたチームは、それぞれが高い専門性を持ちながら限られた時間で成果を出すため、生産性の高いアウトプットが可能です。

原体験から生まれた起業の原点

――創業のきっかけについて教えてください。

前職では長時間労働の環境で働いていましたが、出産をきっかけにイメージと現実の大きなギャップを感じました。仕事で培ってきた経験が、育児の場面ではほとんど役に立たず、育休中は非常に苦しい時間でした。その後復職したものの、周囲が長時間働く中で自分だけが早く帰らねばならない働き方に葛藤を感じるようになりました。

そうした経験から仕事を辞め、ビジネススクールで社会課題について考える中で、同じように悩んでいる人が多いことに気づきました。実際に複数の方にインタビューを行ったところ、育休中の不安や葛藤は多くの人が抱えている課題であると分かりました。そこで、同じ境遇の人たちがつながれる育休&共働きコミュニティikumadoを立ち上げたのが始まりです。

――現在の事業に至るまでの流れを教えてください。

コミュニティを運営する中で、参加者が増えていくにつれて「この場を価値ある仕事につなげたい」という思いが強くなりました。どのようなビジネスにするかは試行錯誤しましたが、副業という選択肢が広がり始めた時代背景もあり、つながりを活かしてチームで副業に取り組む形にたどり着きました。個人が会社の枠を超えて新しい経験を得ることで、自分らしいキャリアを築く機会を提供したいと考えています。

「誰もが自分らしく生きる」ためのビジョン

――理念やビジョンについて教えてください。

キャリアも育児も大切にできる社会をつくることがミッションです。性別による役割分担の固定観念がまだ根強く残る中で、それを乗り越え、一人ひとりが自分らしく生きられる機会を提供したいと考えています。

育児に向いている男性もいれば、経営やビジネスに向いている女性も多くいます。本来は個人の特性で選ばれるべき役割が、性別によって制限されてしまう現状を変えていきたい。そのために、副業などを通じて新しい挑戦の場を提供し、自分の可能性を広げる機会をつくっています。

――経営判断の軸となる考え方を教えてください。

すべてのステークホルダーが幸せになれるかどうかを軸に判断しています。働くメンバーがやりがいを持てることはもちろん、クライアントにとっても価値ある成果を提供できること、そして会社として持続可能であること。この三方がバランスよく成り立つ状態を目指しています。

特に、当社の働き方や価値観に共感していただける企業との関係性を大切にしています。お互いに応援し合える関係性の中でこそ、より良い成果が生まれると考えています。

自律と信頼が生む組織文化

――組織運営で大切にしていることは何ですか。

「自律自転」を重視しています。副業チームを編成する際も、特定の人に依頼するのではなく、案件に対して手を挙げた人を中心にアサインしています。自分の意思で参加したメンバーは主体的に動くため、モチベーション管理が不要になるというメリットがあります。

また、個々の強みを活かすチームづくりを意識しています。弱みを補うのではなく、強みを掛け合わせることで成果を最大化するという考え方です。

――社内コミュニケーションで意識していることはありますか。

心理的安全性を非常に重視しています。育児や本業の状況によって働き方に制約が生じることは自然なことなので、それを無理に隠すのではなく、共有し合える環境を大切にしています。

一方で、挑戦する姿勢も大切にしています。「できないかもしれないからやらない」のではなく、「やってみる」という意志を持つこと。その両立が、組織としての強さにつながると考えています。

共感の輪を広げ、社会を変えていく

――今後の展望について教えてください。

同じ価値観を持つ人や企業との出会いを増やし、より多くのプロジェクトに挑戦していきたいと考えています。現在は口コミを中心に事業が広がっていますが、今後はさらに多くの企業と連携し、新しい働き方の可能性を広げていきたいです。
また、男性も長く育休を取る時代に向けて、育休中の欠員の業務を弊社の副業チームでカバーする事業を展開予定です。

一方で、コミュニティの新規参加者が減少しているという課題もあります。社会全体で育休のあり方が変化していることも背景にありますが、私たちの取り組みを必要としている人にしっかり届けていくことが重要だと感じています。

Contact usお問い合わせ

    お問い合わせ内容
    氏名
    会社名

    ※会社・組織に属さない方は「個人」とお書きくだい

    役職

    ※会社・組織に属さない方は「一般」をお選びください

    メールアドレス
    電話番号
    どこでお知りになりましたか?
    お問い合わせ内容

    プライバシーポリシーに同意して内容を送信してください。