地域に寄り添い、葬儀の在り方を見つめ直す――直方葬祭が描くこれからの葬祭サービス
株式会社直方葬祭 専務取締役 立薗 翔平氏
株式会社直方葬祭は、葬祭事業を中心に、斎場運営、霊柩自動車業、生花事業などを展開しています。長年にわたり地域に根差し、多様化する葬儀のニーズに向き合いながら、利用者一人ひとりに合った形を提案してきました。現在は葬儀そのものだけでなく、葬儀後のサポートまで見据えた体制づくりにも力を入れています。本記事では、専務取締役の立薗翔平氏に事業の特徴や今後の展望、経営に対する考え方について伺いました。
地域のニーズに応える葬祭事業と幅広い体制
――まず、御社の事業内容について教えてください。
葬祭事業全般を行っています。それに付随して、自社での斎場事業、霊柩自動車業、生花事業、そして小規模ではありますが、グループ会社の四心ホールディングス株式会社では、不動産事業も手がけています。霊柩自動車業については資格が必要な事業であり、主に自社のお客様のために運営しています。
――御社ならではの強みはどのような点にあるのでしょうか。
長年にわたり葬祭事業を続けてきた中で、葬儀の多様化に対応してきたことが大きな強みです。地域を代表する葬儀社として、時代とともに変わるニーズに応えながら歩んできました。また、大きな式場から小さな式場まで複数の会場を備えており、費用やご希望に応じて柔軟に案内できる体制が整っています。利用される方の事情や想いに合わせて選択肢を用意できることも、当社の特徴だと感じています。
印象に残る新会場の立ち上げと組織の成長
――これまでの中で、特に印象に残っている出来事は何ですか。
昨年秋に新しい式場を立ち上げたことですね。5会場目となる式場の立ち上げは、非常に印象に残っています。新たな拠点が増えることで、地域のより多くのニーズに応えていける手応えがありました。
――現在の組織体制についても教えてください。
社内のスタッフは現在20名ほどです。ただ、葬儀の現場では専属の外部スタッフにも多く支えてもらっているため、実際に式を動かしている人数はそれ以上になります。ここ1年ほどでスタッフも増え、体制としても成長してきました。事業の拡大にともない、人が増えてきたことは大きな変化だと感じています。
葬儀後まで支える体制づくりへ
――今後、特に力を入れていきたいことは何でしょうか。
中心にあるのはもちろん葬祭業ですが、その前後を支えるサービスもさらに充実させていきたいと考えています。地域には葬儀社も多い中で、必要とされる葬儀社であり続けることが大切です。そのうえで、葬儀後の相談や生活面の不安にも応えられる体制を整えていきたいと思っています。
――不動産事業もその一つでしょうか。
はい。ご葬儀を経験された方の中には、その後の住まいや生活に不安を抱える方もいらっしゃいます。そうした方々に対して、グループ会社の四心ホールディングス株式会社では、近くにいるからこそできる支援があると考えています。ご葬儀の規模や費用の幅だけでなく、その後の暮らしまで含めて相談に乗れる存在でありたい。加えて、遺品整理や仏壇関係など、葬儀後に必要となることも自社で対応できる範囲を広げていきたいと考えています。
適正価格と適正なサービスで葬儀を再生したい
――仕事をする上で大切にしている考え方を教えてください。
葬儀を再生していきたい、という思いが強いです。今の葬儀業界は、価格やサービスの面で極端に分かれてきていると感じています。不安の中で葬儀社を選ばなければならないご遺族に対して、必要以上の提案が重なり、結果として高額になってしまうこともあります。一方で、価格だけを前面に出したサービスでは、内容が十分でないケースもある。そうした中で、当社は適正価格で適正なサービスを提供し、お値段以上の葬儀を返していくことを大切にしています。
――そのために必要なことは何でしょうか。
やはりサービスの安定です。誰が担当しても、同じ品質で高いレベルの葬儀を提供し続けることが重要です。今もできている部分ではありますが、これから人が増えていく中では、教育は永遠のテーマだと思っています。新しい人を迎え入れながら、全員が同じ想いと同じ水準でお客様に向き合えるようにしていきたいです。
仲間への感謝を忘れず、決めたことをやり続ける
――日々の働き方や、仕事への向き合い方についてはいかがでしょうか。
正直、毎日会社に来ています。365日の商売なので、自分自身は休みを強く意識していないですね。ただ、それが良いとも言い切れませんし、スタッフにはきちんと休みを取ってもらっています。今、現場が熱を持って動いていて、落ち着いた時間の使い方も以前よりすごく有意義になってきました。スタッフがこの会社で働いてよかったと思えるような会社にしていくことが、お客様へのサービスにもつながると思っています。
――経営を続ける中で、大事にしている信念は何でしょうか。
不安と向き合い続けることは、経営者にとって避けられないことだと思います。ただ、決めたことはやり続けてほしいですね。継続することが、やはり成果につながっていくと思います。そして、何より一人では何も成り立ちません。支えてくれる人たち、会社を回してくれる人たちへの「おかげさま」の気持ちは、常に持ち続けたいと思っています。不安があっても、決めたことを続けること。そして、支えてくれる人への感謝を忘れないこと。それが大切なのではないでしょうか。