女性起業家に安心の拠点を――経験を原点に支援を広げるアクションラボの挑戦
株式会社アクションラボ 代表取締役 大津たまみ氏
株式会社アクションラボは、アクショングループの一つとして貸し会議室事業やバーチャルオフィス事業を通じて、女性起業家の活動を支える支援を行っている会社です。代表の大津たまみ氏自身が、シングルマザーとして働き方や事業の立ち上げに向き合ってきた経験を原点に、「安心して事業を始められる場」をつくってきました。本記事では、事業の背景や経営の軸、組織づくり、そして今後の展望について大津氏に伺いました。
女性起業家に安心の拠点を
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
アクションラボでは、名古屋駅の住所を活用できるバーチャルオフィス事業と、365日24時間使用できる貸し会議室事業を行っています。特に大事にしているのは、女性起業家が安心して事業を始められる環境をつくることです。
私自身、最初の会社を立ち上げたときに、テナントを借りることの難しさを強く感じました。シングルマザーで、お金も信用も十分ではない中で、事業の拠点を持つことは簡単ではありませんでした。だからこそ、自分が場所を持てるようになったときに、それを自分だけのものにするのではなく、これから起業したい人にここの場所を開いていこうと考えました。
自宅で事業を始めることもできますが、会社の住所を出すことにはリスクがありますし、住所が見えないことで不審感につながることもあります。実際、私自身も危険を感じた経験がありました。そうした背景から、女性起業家が安心してスタートできる場所を提供したいという思いで、この会社を立ち上げました。現在も利用者は女性に限定していますが、それは差別ではなく、自分自身の経験を通して、女性の悩みにより寄り添える形を選んでいるからです。
覚悟から始まった起業
――経営者になられた経緯を教えてください。
一人で子どもを育てていく環境になったことが、大きなきっかけでした。将来、自分で自分を雇用しようと決めたのです。就職活動もしましたが、当時はシングルマザーであることを伝えるのは、なかなか難しい時代でした。そこで、自分で会社を起こそうと決めました。
最初に立ち上げたのは、お掃除と片付けの会社です。女性なので、女性のことを思った組織を作りたいと思いました。私は清掃業界に関わってきたので、そのノウハウを生かして、お掃除片付けに困っている方に向けた講座を開き、自分が知っていることをそのまま伝えていきました。その中から「来てほしい」と言ってくださる方が増えていき、最初の頃はそれだけで十分にお客様に恵まれていました。
――ターニングポイントとなった出来事はありましたか?
はじめの頃はお金が全く無くなってしまったこともあり、母が支援してくれたことが大きな支えになりました。また、その後には仕事の代金を回収できなくなる出来事もありました。人件費はかかるのに入金がないという状況で、自分のお金もすべて事業に投じることになりました。それでも、ゼロから始めたのだからまたやればいいと思えたのは、自分が起業家だったからだと思います。体を悪くしたこともありましたが、支えてくれる人たちやスタッフの存在があったからこそ、乗り越えることができました。
笑顔を軸にした経営
――組織運営で意識していることを教えてください。
現在、社内のメンバーは10人ほどで、外部の協力者も同じくらいいます。プロジェクトごとに力を借りながら進める形を取っています。そうした柔軟な体制も、今の時代に合っていると感じています。
――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。
私が一番大事にしているのは、お客様の笑顔につながるかどうかです。利益につながることであっても、お客様の笑顔につながらないのであれば、それをやる意味があるのかを問いかけます。加えて、そのサービスに継続性があるかどうかも重視しています。やめることは簡単ですが、関わってくれている人がいる以上、続けることに意味があると思っています。大きな打ち上げ花火を上げるよりも、コツコツ続けていくことが私の理念です。今ある組織がすべて10年以上続いているのも、その考え方が土台にあるからだと思います。
女性の可能性を拓く
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
今後は、50代、60代の女性が社会進出していけるような支援をより強めていきたいと考えています。お掃除や片付けという家事支援は、大きな資本がなくても始められる仕事です。家事は、家の中でやっている物凄いスキルです。そこにプロとしての技を身につけて、社会で生かせる分野でもあります。年齢を重ねていくと、雇用が少なくなる。そのような中で、自分だけじゃなく、生涯社会の中で雇用ができるような仕組みをつくりたいです。現在、協会のメンバーの平均が63歳です。みんな生きいきとしています。私もそうですが、いつかは福祉の力を借りなければやっていけなくなります。その時までは、自分がサポートする側に回っていく。50代・60代・70代の方たちは眠れる活力が溢れています。そういう人たちの支援をしたいというのが私の想いです。
その中で、住所が必要であればアクションラボの仕組みも活用できる。そうやって支援の輪を広げていきたいと思っています。
心身を整える習慣
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
まず自宅にサウナがありますので、サウナに入りリフレッシュしています。お休みもしっかり取れていますので、休みの日は主人と温泉に行きます。もうひたすら湯に浸かっていますね。
また、家の中に祈りの場所をつくっています。「神様を招く開運お掃除」という本を出すなど、風水鑑定師の免許も持っているのですが、心静かに祈る時間も日々を整える大事な時間になっていると思います。
――最後に、読者の皆様へ一言
生前整理を行っています。今後の高齢者ビジネスの中でお掃除や片付けのことならお任せください。その他のことも、いろいろな方と手をつなぎながら、一人のお客様を笑顔に幸せにしていけたらと思います。