ジムを「通う場所」から「生活のそばにある場所」へ―B-BASEが挑む“運動のきっかけ”のインフラ化

株式会社B-BASE 代表取締役 関本竜輔氏

「運動したい」と思っても、近くにジムがない。仕事や家事に追われ、ジムに通う時間が取れない。そうした日常の小さなハードルが、健康習慣の定着を妨げていると株式会社B-BASE関本代表は言います。

同社は、コンテナ型トレーラーハウスを活用した可搬型フィットネスジムを展開するスタートアップです。小売店や商業施設の駐車場、企業の敷地などにジムを設置することで、生活や仕事の動線上に“運動のきっかけ”を生み出しています。

都市部に集中しがちなフィットネス環境を、地域や企業の身近な場所へ届ける。そんな新しい発想で健康習慣のインフラ化に挑む同社の代表取締役・関本竜輔氏に、事業の特徴、起業の背景、今後の展望を伺いました。

可搬型ジムという新たな選択肢

――現在の事業内容について教えてください。

当社の主軸事業は、トレーラー型の移動可能なコンテナハウスを活用したフィットネスジムの提供です。いわゆる「運べるジム」という形で展開しています。

個人向けについては、小売店やサービス業の店舗の駐車場などに設置し、一般のお客様が利用できるジムとして提供しています。一方、法人向けは企業の福利厚生として導入いただく形で、社内ジムのように活用していただいています。

――このビジネスモデルの特徴や強みはどこにありますか。

最大の特徴は、建物を新たに構えるのではなく、既存の敷地や空きスペースを活用してジムを設置できる点です。一般的な店舗型ジムでは、物件取得や内装工事、立地選定などに大きなコストと時間がかかります。一方で、当社のモデルは設置・撤去の柔軟性が高く、企業や商業施設の状況に応じた展開が可能です。

また、ジムを「目的地」としてだけでなく、生活動線の中に置けることも大きな強みです。スーパーや職場の近くに運動できる場所があることで、健康習慣を始めるハードルを下げられると考えています。

まだ市場としては新しい領域ですが、だからこそ大きな可能性があると感じています。

――企業や商業施設がB-BASEのサービスを導入するメリットは何でしょうか。

企業にとっては、従業員の健康増進や福利厚生充実につながる点が大きいと考えています。ジムに通う時間を別で確保するのではなく、職場の近くに運動できる環境があることで、ハードルは非常に下がります。

商業施設や小売店にとっては、駐車場や空きスペースを活用しながら、新しい来店動機をつくれる可能性があります。私たちは、ジムを単独の施設としてではなく、人が集まる場所に気軽に健康のきっかけを提供する存在になりたいと考えています。

原点は「地方にも運動環境を届けたい」という想い

――起業されたきっかけを教えてください。

もともとはパーソナルトレーナーとして約7年間、大手ジムで働いていました。その中で気づいたのが、フィットネスサービスが都市部に集中しているという現実です。

私は千葉県長南町という野山や水田に囲まれた農村部の出身なのですが、地元の地域にはこうしたサービスがほとんどありませんでした。一方で、健康を必要としている人はむしろ都市部よりも郊外や地方の方が多いと感じています。そこで、「誰もが等しく運動できる環境を届けたい」という思いが、この事業を始めた原点です。

――実際に事業を進める中での苦労はありますか。

やはり、世の中にまだないサービスであるため、受け入れてもらうまでのハードルは高いと感じています。構想段階から想定していた部分ではありますが、実際に進める中でその難しさはより強く実感しています。

ゼロからの市場開拓と営業の工夫

――現在の営業や事業拡大の取り組みについて教えてください。

現在は、企業や商業施設、小売店などに対して、直接提案を行っています。まだ新しいサービスのため、まずは「どのような場所に設置できるのか」「導入するとどのような価値が生まれるのか」を丁寧に伝えることを大切にしています。

すでに法人契約も始まっており、導入企業からの紹介やネットワークも活用しながら、少しずつ展開を広げています。最初の導入はメンバーのつながりがきっかけでしたが、実際に使っていただくことで、サービスの価値をより具体的に伝えられるようになってきました。

――今後の展望についてはいかがでしょうか。

直近3年以内に30拠点の展開を目指しています。直営だけでなく、フランチャイズ展開も視野に入れており、スピード感を持って拡大していきたいと考えています。

そのための課題としては、設置スピードの向上と認知の拡大が大きいです。単なる「箱」ではなく、生活の一部として価値を感じてもらうためのブランドづくりにも注力していきます。また、事業拡大に伴い、組織体制の整備も重要なテーマになっています。

“一緒に暮らす”組織づくりで生まれる強い結束

――組織運営で特徴的な取り組みはありますか。

実は、設立から約1年間、メンバー全員でシェアハウスをしていました。仕事だけでなく生活も共にすることで、コミュニケーションの密度が非常に高まりました。

日常の中でアイデアが生まれることも多く、サウナや温泉、ゴルフなどリラックスした場での会話が、新しい発想につながることもあります。また結果として意思決定の速さ、仮説検証の速さ、チームの一体感を生み出せたことも大きなメリットです。

もちろんデメリットもありますが、それ以上にメリットが大きかったと感じています。

――どのような人材が必要だと考えていますか。

現時点では営業人材が最も重要です。メンテナンス自体は比較的シンプルなため、誰でも対応できますが、このサービスの価値を伝え、広げていく営業は簡単ではありません。

単なる営業ではなく、「地域に健康のきっかけを届ける」という理念を体現できる人材が必要だと考えています。

日本中に「運動のきっかけ」を広げるために

――将来的に目指す姿を教えてください。

当社の理念は「日本の健康寿命を伸ばす」ことです。そして、日本で最も多くの人に健康習慣の“きっかけ”を提供できる企業になることを目指しています。

このジムが特別なものではなく、「スーパーに行けばある」「生活の中に当たり前にある」という存在にしたいと考えています。今はまだ珍しい形ですが、これが当たり前のインフラになるような世界を実現したいです。

起業家へのメッセージ

――最後に、これから起業する方へのメッセージをお願いします。

当社の判断基準として、「迷ったらやる」という考え方があります。迷うということは、それだけ挑戦の価値があるということだと思っています。

新しいことに踏み出すのは不安もありますが、ぜひチャレンジしてほしいと思います。

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