「心理教育」を軸に、学校・スポーツ・企業の人材育成を支える

株式会社Madoyaca 代表取締役 渥美 円香 氏

教育研修やメンタルトレーニングを通じて、学校やスポーツ団体、PTA、自治体、企業などを対象に人材教育を行っている渥美氏。元教員としての経験を活かしながら、心理教育の視点から、世代間の価値観の違いや、子ども・若者との関わり方に悩む現場を支えてきました。今回の取材では、これまでの歩み、現在の事業、そして今後の展望について伺いました。

教育研修と心理教育を通じて、現場の課題に向き合う

——現在の事業内容について教えてください。

表に出している事業としては、教育関係の研修が中心です。メンタルトレーニングという言葉も使っていますが、私自身が元々教員だったこともあり、教育研修や人材教育に近い内容です。

お客様は学校だけではありません。PTAの連絡協議会、自治体、体育協会、スポーツ協会、スポーツ連盟などから依頼をいただき、講演や講習会を行っています。個人・法人の両方に対応しており、プロアスリートの方もいます。

実際に行っている内容は、心理教育に近いものです。たとえば、昭和の時代には「気合いと根性」で通用していた部分が、令和では「必要ないと思ったらやらない」「すぐにやめてしまう」といった形で、価値観のギャップとして現れています。

そのギャップを埋めるための話をしています。その一部として、メンタルトレーニングの要素を取り入れているという感覚です。

——競合については、どのように見ていますか。

スポーツメンタルトレーナーやメンタルコーチと名乗る方は世の中に多くいると思います。ただ、資格がなかったり、十分に勉強していなかったり、ただ習っただけで活動している方も多い印象です。コーチングの分野と似ていて、入口に立つ人はたくさんいると思います。

一方で、この分野はボランティアや、それに近い価格で行われていることも多いです。私は完全なボランティア価格ではやっていませんが、業界全体としては、まだお金が出にくい分野だと感じています。

日本では、スポーツにおいても「技術」や「体力」が重視され、メンタル面は後回しにされがちです。そのため、メンタルに投資する意識はまだ低いと感じています。

教員、イギリスでの経験、そして独立へ

——経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

元々、教員をしながらアフィリエイトブログを続けていました。大学生の頃も含めると、10年以上続けています。扱っていた商材は美容系、健康系、学習・教育系などです。私の名前を出して行っていたわけではありませんが、ずっと稼働していました。

教員としては、最初は国内で働いていたものの、コロナ禍の時期にイギリスの学校で働くことが決まり、海外で生活していたことがあります。しかし、現地ではコロナによるロックダウンがあり、生徒がいない状態が1年ほど続きました。

その時間を活かして、現地の大学などで心理学やメンタルトレーニングに関連することを学びました。また、フットボールやラグビー、硬式テニスなどのサポートを、ボランティアとして少し経験しました。その後、生徒が戻ってきてからは先生として働き、合計で2年ほどイギリスで過ごしました。

日本に戻ったのは、コロナの規制が緩和された時期です。帰国後に開業届を出し、兵庫県の学校で勤務しながら、自分の勤めていた学校の野球部に声をかけて、メンタルトレーニングをやらせてもらいました。そこから口コミでつながり、現在に至っています。

口コミで広がった事業を、講師派遣型へ

——現在の組織体制について教えてください。

現在、雇用している従業員はいません。基本的には私1名で運営しており、業務委託の方が4名います。雇用をしようとしたこともありますが、難しさやトラブルもあったため、今は全員業務委託という形にしています。

これまでは、ほとんど私が1人で講演や研修を行ってきました。ただ、この4月からは、弊社側で育てた講師が12人ほどいます。業務委託ではありますが、派遣できる人たちがいるため、今後は講師を派遣しながら、人材教育の事業を広げていきたいと考えています。

——これまでの集客や営業は、どのように行ってきたのでしょうか。

これまで営業や広告は一度も行っていません。ありがたいことに、口コミだけで仕事が広がり、売上も立ってきました。参加してくださった保護者の方の会社を紹介していただき、企業に行くこともあります。

ただ、本気で企業向けに展開していくのであれば、営業に行くことや広告を出すこと、資料を作ることが必要だと思っています。今は資料もほとんどありません。

企業向けに広げていくには、きちんと手を入れなければならないと感じています。

中小企業の人材教育へ、事業の幅を広げていく

——今後、注力していきたいことを教えてください。

今後は、企業向けの人材教育にも力を入れていきたいです。今、社会人として会社に勤めている人の多くは平成生まれ、平成育ちの世代で、そこに令和育ちの人たちも新卒として入ってきています。コロナ禍を挟んだこともあり、双方のギャップはかなり大きいと感じています。

学校はすでに困っている状態ですが、今後は企業の方が困ってくると思っています。そうした企業に対して、人材研修や講演会などの形でサポートしていきたいです。

——教育系以外の事業についても、今後の展望はありますか。

WebマーケティングやSNS運用にも可能性を感じています。アフィリエイトもそうですが、SNS運用も自分で行っており、複数のアカウントが伸びています。外注の方にも自分で教えて運用してもらっていて、実際に成果が出ています。

まだ本格的には動いていませんが、出産後、自分が物理的に動きにくい時期には、そういったWebマーケティングやSNS運用、AIも含めた事業を作って伸ばしていきたいです。

仕事そのものが、自然なリフレッシュになっている

——リフレッシュ方法や、仕事以外で大切にしている時間はありますか。

休みという概念が、あまりありません。現在は妊娠中で、妊娠8ヶ月です。管理入院になっていて、今も病院にいますが、それでも仕事をしているくらいなので、仕事が好きなのだと思います。

特別なリフレッシュ方法があるというより、仕事自体が息抜きになっています。教員時代もそうでしたが、子どもたちと関わることがとても好きです。あまりストレスが溜まっていないので、特別にリフレッシュしなければならないという感覚はありません。

——これから起業する方や中小企業の経営者に向けて、伝えたいことはありますか。

教育系の事業を始めた時、最初は「無理だよ」とすごく言われました。世の中で誰もそれで稼いでいない、企業向けならまだしも、青少年やスポーツの分野で稼げる業種ではない、法人化は無理だと言われ続けてきました。

それでも3年ほど続けていると、必要としてくれる人や、手を差し伸べてくれる人がいました。その手を差し伸べられた時に、きちんとつなぐことが大事だと思っています。波に乗り続けることも大事です。

そういう機会を見逃さないこと。そして、必要としてくれる人や手を差し伸べてくれる人は必ずいるのだと、頭に入れておくこと。それがとても大切だと感じています。

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