世界を愛し、働くことを人生最高の冒険に――株式会社ComiViaが描く「体験を変える」価値創造
株式会社ComiVia 代表取締役 後藤 正賢氏
株式会社ComiViaは、システム導入やプロジェクト支援を中心に、企業の業務改善や組織変革をサポートしている企業です。ただシステムを導入するだけではなく、その先で働く人たちの体験を変えることを重視し、現場に寄り添った支援を行っています。今回は代表取締役の後藤正賢氏に、事業への想いや経営哲学、今後の展望について伺いました。
現場に根づく変化を生み出す支援とは
――現在の事業の特徴や強みについて教えてください。
サービスそのものは世の中にあるコンサルティングファームやPMO支援と大きく変わるものではありません。ただ、私たちが重視しているのは、より現場に近い立場で伴走することです。
システム導入やシステム開発のプロジェクト支援も行っていますが、特に力を入れているのは導入後の定着です。せっかく良いシステムを作っても、現場の方々が使わなければ意味がありません。実際に「今までのやり方のほうが早い」と感じられてしまい、十分に活用されないケースも少なくないんです。
だからこそ私たちは、システムだけでなく業務改善や組織改善まで含めて支援しています。大切なのは導入そのものではなく、その先で働く方々の体験がどう変わるか。従業員の皆さんがより働きやすくなり、より創造的な仕事に集中できる環境づくりを目指しています。
――AIの普及によって、業界の価値も変化しているのでしょうか。
大きく変わっていると感じています。最近は企業の方々自身がAIを活用しながら要件定義や設計を進めるケースも増えています。
そうなると、コンサルタントやPMOの価値は単なる資料作成やプロジェクト推進ではなくなってきます。何を作るかではなく、どう使ってもらうか。その結果として働く人たちがどう変わるかが重要になってくるでしょう。
AIの流れは止められません。その中で最終的に価値を持つのは、人としての在り方や誰と仕事をするかという部分だと思っています。
「人生最高の冒険」を掲げる理由
――御社のパーパスに込めた想いを教えてください。
当社のパーパスは「世界を愛し、働くことを人生最高の冒険に」です。
私は昔から好奇心が強く、社会や人、仕事、ものづくりなど、この世界にあるさまざまなものが好きなんです。世の中には自分がまだ知らない面白いものや愛すべきものがたくさんあります。そのことをまず伝えたいと思いました。
そして、働くことも私は大好きです。働くことを単なる労働ではなく、人生の大部分を占める冒険だと考えています。
ここであえて「挑戦」ではなく「冒険」という言葉を使っています。挑戦というと成功や失敗が付きまといますが、冒険なら失敗も含めて価値のある経験になります。うまくいかなかったことも人生の冒険の一部だと思うんです。
社員にも新しい職種へのチャレンジを提案することがあります。それも本人の可能性を広げる冒険の一つです。会社として、人の可能性を広げられる存在でありたいと思っています。
――ミッションやビジョンについても教えてください。
ミッションは「働くことを幸せと挑戦の体験に変える」です。
プロジェクトを成功させることは当然大切ですが、それだけでは味気ないと感じています。ご一緒した方々が、新しい挑戦を楽しんだり、働くことそのものに前向きな気持ちを持てたりするような体験を提供したいのです。
ビジョンには、その体験が次の誰かへ連鎖していく社会をつくりたいという想いを込めています。一人の変化が周囲に伝わり、その輪が広がっていく。そんな未来を目指しています。
経営者になった理由と判断の軸
――経営の道に進んだきっかけを教えてください。
一言でいうと、自分で道をつくりたかったからです。
会社員時代は大企業で働いた経験もありましたが、良いと思ったことがあっても組織の壁や慣習によって前に進まないことがありました。もちろん理由は理解できますが、その制約が私にとっては大きなストレスだったんです。
私は思いついたらすぐ動きたいタイプです。目的が明確なのに回り道をしなければならない状況に違和感を覚えていました。
また、「なぜこれをやるのか」という問いを持ち続けることを大切にしています。目的が明確になれば判断も早くなりますし、優先順位も見えてきます。そうした考えを貫くためには、自分で責任を持って経営するしかないと思い独立しました。
――経営判断の軸となっている価値観は何でしょうか。
「人として正しいかどうか」です。
以前在籍していた会社で学んだ稲盛和夫氏の考え方の中でも、原理原則という言葉が強く心に残っています。
売上や利益を優先する判断が必要な場面もありますが、その前に人として正しいか、社会にとって意義があるかを考えます。そこを見失ってしまうと独立した意味がなくなってしまうと思うんです。
私自身、急成長や上場を目指しているわけではありません。好きなものを好きな人たちに届け、その結果としてみんなが幸せになれる状態をつくりたい。その想いを大切にしています。
可能性を広げる組織づくりとこれからの挑戦
――社員とのコミュニケーションで大切にしていることは何ですか。
業務の話だけでなく、「これからどうなりたいか」「何に挑戦したいか」をよく聞いています。
人にはそれぞれ可能性があります。経験や肩書だけで判断するのではなく、その人が持つ強みや可能性を見つけたいんです。
実際に、コンサルティング経験のないメンバーが現在お客様先で大きな価値を発揮してくれています。私はその人のコミュニケーション力や寄り添う力に可能性を感じていました。
社員だけでなく、外部パートナーの方々にも同じ考えを持っています。サイト制作をお願いしていたデザイナーの方に別領域の仕事も依頼するなど、一緒に可能性を広げていきたいと思っています。
――今後の展望についてお聞かせください。
今後も業種にはこだわらず、さまざまな挑戦をしていきたいと思っています。
その中でも特に力を入れたいのが食や農業の領域です。私は宮崎県の米農家の家系で育ちました。子どもの頃から食べていたお米の味には特別な思い入れがあります。
一方で、担い手不足などの課題によって、その文化や価値が失われつつあります。好きなものがなくなっていくことに寂しさを感じるんです。
だからこそ、食や農業をより良くする取り組みにも関わっていきたいと考えています。また建築にも強い関心があり、次の世代へ何を残していくかという視点で事業を広げていきたいと思っています。
楽しく働く姿を次の世代へ
――最後に、経営者として大切にしている想いを教えてください。
人として間違ったことはしたくありません。そして次の世代に何を残すのかを常に考えています。
大きく稼ぐことよりも、本当に意味のあることをやり切りたい。そのほうが自分らしいと思っています。
もう一つ大切なのは、楽しくあることです。社長や上司が楽しそうに働いている姿は周囲に伝わります。子どもたちも、そんな大人を見て育てば仕事に対する見方が変わるかもしれません。
実際、私は休日も事業のことを考えたり、農家の方を訪ねたり、建築を見に行ったりしています。でもそれが苦ではなく、とても楽しいんです。